邪馬台国文系SF始まるよー
弥生時代の終わりに、日本で『論語』や『史記』や『韓非子』を学んだり、物語の違いを考えたり……。邪馬台国の巫女のトヨ姫が、外に出られないけれども色々な文物に触れて、自分や国家や社会について考えていきます。
ヒミコが死んだあと男王が立った。クニは再び混乱し、1000人が死んだ。ヒミコの宗女である13歳のトヨが王位に立てられ、ようやくクニは安定した。
トヨはヒミコと同じく巫女として密室に籠められ、外に出ることは決して許されなかった。密室での長い長い人生の合間。カラクニからもたらされた銅鏡をきっかけに、トヨは《文字》に出会う。
人物紹介
トヨ:
邪馬台国の女王。巫術や祈祷の言葉について先祖から受け継いでいる。巫女たる女王として斎の宮に籠められ、周囲との接触を避けられている。密室で身体が萎えぬよう筋トレを趣味にしている。
ナシメ:
『魏志倭人伝』によれば、卑弥呼の時代に魏に遣使された人物。本作においてはトヨに言葉を取次ぐ役を負っている。
アキマ:
トヨと同じ一族の男。幼いころトヨと一緒に成長した。なぜか密室へ通ずる秘密の通路を知っており、夜闇に紛れてトヨのもとを訪れる。
テルセ:トヨの端女(はしため)。トヨと同世代。
大婆:長生きしているばーさん。7人いる。
チョウセイ:カラクニの帯方郡から来た者。『魏志倭人伝』では邪馬台国に塞曹掾史としてやってきた。本作では、トヨに漢籍を教授する。
エアキュール・ポアロ:私立探偵