心躍る最強に尊い主人公は「俺」「僕たち」だ!
449 作品
最高に尊い!「推しメン」原案小説コンテストへのご応募、誠にありがとうございました。
バディ部門/チーム部門の2部門の募集でしたが、最終的に449作品と多くの作品をお寄せいただきましたこと、心より御礼を申し上げます。
「原案小説」の募集は長編/中編小説を募集する他の多くのコンテストとは異なり、キャラクターの魅力やストーリーのポイントを少ない分量で効果的に組み立ててアピールする必要があるという点で、応募される皆様にはハードルが高かったのではと思います。
しかしながら、いわゆる皆様の「推しメン」のプレゼンとして、凝縮された濃厚な魅力のエッセンスを浴びたい! ほとばしる熱い思いを感じたい! と編集部一同、選考に臨ませていただきました。
バディ部門、チーム部門ともに、作家の皆様方の「私の推しのここに萌えてくれ!」「私の推しのここにひれ伏せ!」という気持ちが行間から伝わってくる力作ぞろいで、作品世界に没頭させていただきながらの白熱した選考となりました。
結果発表までにお時間をいただきましたこと、この場を借りてお詫び申し上げます。
募集当初はバディ部門/チーム部門合わせて大賞は1作品のみの選出を予定しておりましたが、それぞれの部門で突出した魅力を放つ2作品は甲乙つけがたく、各部門1作、計2作品の大賞選出となりました。
両作品ともに、オリジナリティのある世界観はさることながら、きっと読者様それぞれに「推しメン」が見つかるだろうと思わせる多彩な魅力を持つキャラクターと、「この2人の関係はどうなるの?」「この続きが早く読みたい!」と想像させるような人物同士の関係性の深い作り込みが受賞の決め手となりました。
同時に受賞には至らなかったものの、キャラクターやストーリーに光るものを感じ、今後の書籍化ないしはコミカライズを検討したい作品として3作品、選出させていただきました。
このように白熱した選考の過程として、最終選考対象作品も合わせて挙げさせていただきました。いずれも大変魅力的な作品ばかりですので、ぜひ読者の皆様もご覧になってください。新たな「推し」との出会いが待っているかもしれません……!
今回選出させていただいた5作品については、今後書籍化、コミカライズについて検討をしていきます。近い将来、よりパワーアップした「推し」たちのお披露目ができるよう、そして今度は編集部だけではなく読者の皆様の自慢の「推し」にしていただけるよう、一同熱い気持ちを持って取り組んでまいります。
ぜひ今後の「推しメン」たちの歩みにご期待ください!
異形に関する様々な悩みを解決する祓い屋「如月屋」を舞台に、殺し屋と監視役、彼らを取り巻く人間(異形)関係を濃密に描いた本作。
異形と共生しながら祓い屋で働く主人公・如月朝緒と、異形を全て滅することを本望とする殺し屋・假屋逢魔の歩み寄りが、如月屋に持ち込まれる依頼や事件を通して丁寧に描かれています。
メインの主題となっている2人の過去や孤独の解決、昇華を通して、バラバラだった祓い屋の面々が名実ともにチームとして成っていく過程は非常に読み応えがあり、キャラクターそれぞれに隠された二面性、魅力にじわじわと嵌まっていく面白さがありました。
彼らを取り囲む「如月屋」の従業員の海月弥朔や朝緒の養父・如月閃も非常に個性的で、時に2人を諫め、見守り、支えていく中で、それぞれの魅力が存分に発揮されています。
「最強に尊い! 「推しメン」原案小説コンテスト」の中間選考の結果を発表させていただきます。
多数の力作を投稿してくださった皆様、並びに作品を読んでくださった皆様には、改めて深く御礼申し上げます。
※掲載の並びは作品のコンテストへの応募順となっております
講評
幕末を舞台に、倒幕派として戦う絵師/絵士――四季隊の活躍を描いた本作。
絵画という文章では伝えづらいモチーフをキャラクターの特徴に上手く絡めて描き切った筆力が見事でした。キャラクターの顔や表情が思い浮かぶような、絵映えしそうというのも受賞の決め手になりました。
内容としてはまず冒頭に失敗作(失礼!)として出てくる、猫になり切れなかった熊のような狸のような動物、そしてそれを見て頭を抱える主人公・狩野探雪の落ちこぼれ具合の掴みがばっちり。探雪とバディを組むことになる土佐光起は逆にクールな優等生で、探雪と光起の動と静の対比も非常にわかりやすく、このバディの今後の成長と躍進を素直に応援したくなる良作でした。
……とここまで書くと、男子主人公の成長・成り上がりを描いた努力と友情のドラマと思われそうですが、行方不明の探雪の兄・探信の存在が、人間関係にもストーリーにも謎と闇を与えていてより一層深みを感じさせる作品となっています。