概要
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!外国の言葉とも事件とも夜の爆音とも共に生きる。それが自分の居場所だから
その街には、別の国にルーツを持つ人々がいる。
事件を起こすこともある。
そこへ偏見も向けられる。
街には不良と呼ばれる若者たちもいる。
夜な夜な騒ぎを起こす。
普通から外れた、当たり前とは違う者たちだ。
違いは、偏見という言葉だけで片づけられることばかりではない。
違いは確かにある。
人は、誰もみんな違う。
そして、人は誰も間違う。
様々な人々がその街で生きている。
矜持を持つ者、流される者、なにも感じない者。
街の中では誰もが同じ夜をやり過ごす。
夜の街角を歩く時間のように。
違うことは、悪ではない。
ただ、違うから理解できないこともある。
それでも、理解できなくても、
肩を並べる…続きを読む - ★★★ Excellent!!!混沌のなかに「気高さ」を射抜く、鮮烈なるリアリズムの筆致
著者の紡ぐ言葉には、剥き出しの日常をそのままに受け止める、強靭な「静寂」が宿っています。
多種多様なルーツが混ざり合い、生と死、祈りと喧騒が背中合わせに存在するこのまちを、著者はけっして遠くから眺めてはいません。
殺人事件が起きたアパートの静けさや、夜道を震わせる爆音、そして異国の言葉で交わされる「ありがとう」の響き。
それらを等しく、逃れられない人生の断片として見つめる眼差しは、鋭くもどこまでも誠実です。
光と影のコントラストをありのままに描き出す筆力にも圧倒されます。
凄惨な事件や社会の隙間に生きる人々の体温を、美化することも卑下することもなく、ただ「厳然たる事実」として定着させる…続きを読む - ★★★ Excellent!!!果たして異質なのは「日本」なのか、「彼ら」なのか
日本という国は、色々世界基準から逸脱しています。
まるで軍隊レベルと称される程度に真面目で規律正しく統制の取れた行動ができ、また物事に要求するクオリティ基準も非常に高く、色々ルールに細かいです。
そんな日本からすれば、諸外国の人々は逆に異質に見えます。
ひどくルーズに見えたり、仕事が雑だったり、ゴミ捨てのルールが守れなかったり。
だから、日本という国に外国人が住もうと思うと、あまりに厳し過ぎる社会システムに、なかなかなじめなかったりするわけです。
そうはいっても、日本で暮らす以上はそのルールに従ってもらわねばならないわけですが。
「知らなかった」「母国では普通のこと」でルール違反、特に犯罪…続きを読む - ★★★ Excellent!!!カァムオンは、ベトナム語では「ありがとう」というらしい。
レビュワーが初めて、終電を逃した後呆然と、新大久保と呼ばれる街に足を踏み入れたときは唖然としたことを覚えています。
当時は二十歳そこそこで、何も知らなかった私は日本の、それも東京の、それも新宿にこんなに近い場所にこんな世界があった、なんてことを知らなかったのです。
こちらのエッセイを書かれた作家先生の住んでいた町は、より多国籍だったようでして。
日常的に海外からやってきた方と接する事が多かったのだとか。
作家先生は、このまちで生活し、空手を習いながら暮らしているのだそうです。
市から配られるゴミ袋には、
英語、日本語、スペイン語、ポルトガル語、タガログ語、ベトナム語、中国語が書…続きを読む - ★★★ Excellent!!!スクリーンを離れて隣人と話そう。
昔々、自分が子供の頃は、日本はまだまだ単一民族国家だった。
近所に外国人はほとんどおらず、外国人のような風貌の日本の子供は学級でいじめにあった。そんな時代を経験したが、数十年で世の中は様変わりした。
ネットの普及、スマホの普及、海外渡航が珍しいことではなくなり、自分と世界の距離がぐっと縮まった。そんな時代の流れを経てのいま。
外国人との共生が当たり前になり、日本人間での価値観の共有もなくなった、個の時代である。
筆者のリアルに基づいたこの話は、我々の日常の一部と必ず繋がっている。
ここで京都の町屋文化のような、お節介愛を外国人の方々が実践していることに新鮮さを感じた。
これは日本人が忘れ…続きを読む