概要
あれらは人間に成り代わる。
人間に成り代わる怪物を見ることができ、それらから認識されない少女――此木夕子は高校にも行かず、万引きをして暮らしていた。その犯行を見咎めた中学校時代の同級生、桜井栞。彼女は、夕子に対して不可解な要求をする。
「私と友達になって」
「私と友達になって」
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- ★★★ Excellent!!!「ホラーが好きだー!!」と、海に叫びたい。
「ホラーが好きだー!!」と、海に向かって叫びたい。
そんな青春のほろ苦さを読後に感じました。
親すら異形、ひたすら異形のものに囲まれる。
大切なものまで、あちら側に奪われる。
そんなぎりぎりの恐怖の中で暮らす主人公の日常が、宇多田ヒカルの「歌」、いつの時代も変わらないであろう「弁当」などをはじめ、あくまでも「正常」で、象徴的な「もの」たちとともに進む。
異形の中に「正常」があるから、主人公の怖さ、甘くほろ苦い青春が際立つ。美しく引き立つ、と感じました。
映画のようなラストシーン。ホラーと青春の素晴らしさ、さわやかさ、懐かしさを、存分に堪能させていただきました。ありがたい時間でした。 - ★★★ Excellent!!!もう手遅れかもしれない世界の中で、平成の歌姫の曲に心を浸す
この世界はもう、「手遅れ」なのかもしれない。冒頭から数行を読み進める中で、そんな事実が垣間見えるようになりました。
主人公の此木夕子は、世界が「異形の何か」にとって代わられようとしていることを察知する。
合衆国の大統領は顔に穴の空いた何かになっている。そして両親ですらも怪物めいた何かへと。
あちこちで「よくわからない何か」が普通の人と入れ替わり、当たり前のように日々を過ごすようになっている。
でも、夕子以外の誰もその事実には気づいていない。それでも着々と「侵略」は進んでいって、どんどん「人間」が「何か」と挿げ替えられていく。
そんな絶望感の中で、夕子はただ「宇多田ヒカル」の…続きを読む