Q:戦が先か、乙女が先か。A:戦である。
- ★★★ Excellent!!!
『待ったなしの艦隊戦に身を投じる海軍乙女達の生き様を見よ!』
本作書籍版を購入するかしないか現時点で確定していない未来の読者諸兄に本作をどう紹介するべきか一頻り思案した結果として出てきた文言である。
本作を語る上では『乙女が先か戦が先か』と言う部分がキモであり『見目麗しい女の子達がわちゃわちゃしていて、ついでに戦争を舞台にした』のでは決してない。
骨子はあくまでWWⅡをモチーフとした骨太な艦隊戦記物であり、彼女達はそれらを華々しく彩る役所を担っている。
戦場で散り逝く命が在る事についても描写を避けたりはしていない。
あくまで戦が基礎であり乙女が基礎ではないのである。
無論エンターテイメント小説であるし、本作のファンタジー要素である海軍乙女達は皆個性豊かでカッコいい姉さん系から可愛い系まで多様な人物像で描かれており、それらが躍動感たっぷりに動き回る事も大きな魅力の1つではある。
なればこそ戦記物好きには言わずもがな、ライト層にも届く一冊たりうるのだ。