・感想
読み始めたら終始世界観にのめり込んでしまい、読むのを中断できませんでした。目を閉じれば、自分がその場にいるような錯覚を覚える臨場感をリアルタイムに感じたかったからかもしれません、これは止めたらもったいないと、一本の映画を観てる感覚でした。それほど、見事な和製クトゥルフ神話作品でした。
・感心したところ
古き神に関する設定をあまりひけらかすようなことがなかったので、読み手に考える余地をあたえる程度の謎を残してるのも好印象でした。クトゥルフ神話にでてくる古き神って、本来人間からしたら定義できない存在ですもんね。
巻末(?)の座談会で、理渡ちゃんの口から語られる日本と米国でのクトゥルフ神話への恐怖の感じかたの違いを読んでいて、すごく共感できました。鳥肌ものでした。
・無意味な質問
人間ぽいした顔してる蜘蛛ってアトラック=ナチャっぽいなと思ったんですけど、後に進化して現代の蜘蛛になってるということは、これはアトラック=ナチャとは関係ないんですかね?
・ひとりごと
理渡ちゃんがかわいいなと思いました。続編がありなら、また理渡ちゃんと真館さんの物語読みたいです!
開いた! 読んだ! 星つけた!
これが本物のクトゥルフだ!
日本(かつ伝奇)という舞台を存分に使って、クトゥルフの調理法で仕上げた傑作です!どうしてもクトゥルフというと海外の雰囲気を日本の言語で表現するのが主流になってしまいますが、この作品は日本の世界を日本の言葉で書き表しています。そこにこの作者様の腕の良さといいますか鋭い観察眼と読み取ったイメージを表現する実力を感じました。
これはクトゥルフ神話の美味しさを存分に理解した上で、日本という食材を十分に理解していなくては出来ない……正しく和風クトゥルフです!
最後になりますが、ヒロインカワイイですね!