概要
薬師の少女は鴉に逃げ場を塞がれる。
少女の名はゆかり。天涯孤独の身の上で、領主家の薬師を一人営んでいる。
ある日、ゆかりは怪我をした赤い目のあやかし鴉を助ける。鴉とはとても仲良くなって一緒に暮らし始めたのだが、そんな生活は突然終わりを告げられた。領主に見初められて、何番目かの妾にされかけたのだ。
逃げるように住んでいた小屋から飛び出したゆかりは、鴉の案内であやかしの住む森で暮らす事になった。
そこでゆかりは、蘇芳という穏やかな微笑みを浮かべるあやかしの青年と出会ったのだが……。
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どうして私は蘇芳の赤い目に既視感を覚えるのかしら?
どうして蘇芳は私の名をそんなに大切げに呼ぶの?
……どうしてこんなに、胸が熱いの?
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これは、薬師の少女とあやかしの青年が織り成す、幸せへと導いていく恋