いつまでも読んでいたい、異世界の民族誌

ジャンルはファンタジーです。しかし、私には、地球より地軸の傾きの大きな、或いは少し太陽に近づいた惑星の、そこに暮らす人々の物語のように思えました。
北の果てにある、太陽の沈まない国。日差しを浴びて煮え立ち、蒸気をあげる海を目指す男たち。灼熱の砂漠を避けて地下に都市を築き、その環境に適応した体を持つ人々……。旅を通じて異なる民族が出会い、互いの民俗や習慣に戸惑いつつ憧れる過程が、丁寧に描かれています。
ル=グウィンのSFや民族誌がお好きな方は、きっとお好みでしょう。

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