草原の、凍土の、砂漠の、灼熱の海の、風を感じる幻想異郷の旅がここに。

これは、遠いどこかで旅をする人の物語だ。
現代の地球ではなく、別の星か別の世界か、
とにかくどこか遠い場所で、機械はなくて、
魔法もなくて、ただそこに存在する異世界。

かつて地球に住む人々がそうだったように、
その世界に住む人々の多くは旅などしない。
髪や目の色、風習の違う人と出会うことも、
普通に暮らしていれば、滅多にないものだ。

だが、この物語の主人公たちは旅を通じて、
異境の自然に出会い、異郷の人々に出会う。
湿度とぬくもりを感じさせる端正な文体が、
それらの出会いのもたらす情景を描き出す。

Azuriteさんのレビューにもあるとおり、
「いつまでも読んでいたい」作品でした。
朝陽さんの書かれる幻想異郷が好きです。
満たされました(でももっとほしいです)

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