荒削りで熱いソウルのこもった作品

最近『フリースタイルダンジョン』という番組にハマった自分にはタイムリーな作品でした。
日本語に対してひたむきな姿勢、語彙力、即興の中でのストーリー作りなど、ラップと文学は親和性が高いと思っています。そしてこの作品では、その二つの要素を上手く物語として落とし込んでいました。その技量だけでも革新的だと思いました。

ラップバトルの描写だけでなく、母親想いの主人公に待ち受ける逆境や苦悩、それらを乗り越えて掴み取る栄光。王道な起承転結にも、堅実な構成力を感じました。
根底には映画『ロッキー』シリーズと近しいものがあるのではないでしょうか。

こういったものに理解のない人には、ダサいとかチープだとか感じることもあるかもしれません。しかしラップであれ小説であれ、何かに対して一所懸命な姿というのは美しく、人の心を熱くさせるものです。この作品にはそういった熱いパッションを感じました。面白かったです。

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