ここには青春小説のすべてが、詰まっている

ぱっとしない青春を送っていた主人公が夢や仲間や恋をみつけ、挫折や厭世観を乗り越えて最後に栄光をつかむ直球の青春サクセスストーリー。勢いがある。言葉を操るラップとリズミカルな文章には尊敬の念しか出てこない。
読みながら、会場フロアが頭の中で映像になった。ステージに立っているKAGRAと対戦相手、照らすライト、ビート、歓声、叩きつけるバイブス(熱量)、ヒップホップ魂、すべてにクラクラした。かっこいい。

読み終えて…、『すごく良かったよ、終盤の切れ味は確かに美しい』と言葉で伝える代わりに、右手の拳を突き出して当て、コンコン、をしたい。