弱さや醜ささえ、ひたむきでやさしい恋模様に、彩りを添える

4つ年上の彼女のために、彼は、少しだけ背伸びをして、
柔らかな絵を描く彼女のために、優しくなろうと心を砕いて、
愛してやまない彼女のために、いつもそばにいたいと願う。

イラスト、植物、食べ物、飲み物、色、景色、暑さや寒さ。
目に触れるものと手で触れるもの、ひとつひとつが
丁寧な筆致で描き出されて息づいている。

作中では、悲しくて理不尽な出来事も起こるのに、
ほっとするような、温かな読後感に包まれる。
互いに互いを思いやる、安心感のある恋模様がすごく好き。

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