二十五年ぶりの再会を描きながら、空白を埋めることよりも、「埋まらないまま同じ時間を過ごすこと」の切実さがよく出ている作品でした。会話自体は他愛ないのに、その何気なさの中に、会えなかった年月の重みと、生きて再会できたことへの安堵がしっかり滲んでいます。とくに、昔の姿と今の姿が二重写しになる感覚が印象的でした。大きな出来事に頼らず、再会そのものの本質を丁寧に掬った、静かで誠実な短編でした。
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