晴北成道の怪奇譚

退魔師である少年少女と、人類に被害をもたらす悪霊との戦いを描いた現代ファンタジー作品です。

突如として、悪霊の実在が宣言された世界。

そこは悪意との相性で簡単に人が消える世界であり、消えた人がさらなる犠牲者を求める負の連鎖が日常茶飯事の世界です。

世界が悪霊側に傾いたのは、連鎖的に起こった退魔師の悪霊化現象。

今を生きる少年たちは、彼ら悪霊の親玉とでもいうべき存在を祓う使命を担っています。

時に悲劇が全てを押し流し、愛する人間を自らの手で祓わなければいけない戦い。

そんな世界で少年たちは、どんな物語を紡いでいくのか。

ぜひ読んでみてください。

霊の存在が認められている世界。序盤からしっかりと練られていると感じました。
現代×ダークファンタジー、除霊師によるバトルが濃厚な作品です。
どんな霊が出てくるのだろう、どんな術が、などその手のテイストがお好きなかたにたまらない作品だと思います。

「霊は存在する」と国家が公式に認めた世界。
と冒頭にあって、「よくある怪談」では終わらないことが分かります。

本作は、霊災対策が国家事業となり、除霊師が制度として組み込まれた現代日本を舞台にした、徹底的にリアリズムを積み上げたダークファンタジーです。

特に印象的なのは、
「死にたくないという思いが強いほど、人は悪霊になる」
という世界の法則。

善人であっても、家族を想っても、
その“未練”が悪霊化を招いてしまう。
この設定が、単なる勧善懲悪ではない、重く静かな恐怖を生んでいると感じました。

主人公・晴北成道は、
恐怖を否定せず、「怖いからこそ準備をする」少年。
彼の冷静さと優しさは、…続きを読む

除霊師を育成する学園で、若者達が切磋琢磨していく物語。除霊のシーンも迫力満点で、読み応えがあります。物語はこれから何処へ向かうのか？楽しみです。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（687文字）

霊の存在が国家公認となった現代日本という独特な世界観が秀逸！
除霊師養成学校での学園生活と、命懸けの除霊バトルが絶妙に織り交ざった新感覚のダークファンタジー。
キャラクター一人一人の心情描写が丁寧で、特に主人公たちの友情や成長が心に響く。呪文を駆使した本格的な除霊バトルシーンは迫力満点で、ホラー要素もしっかり効いていて最後まで一気読み必至！
現代的な設定なのに和風テイストの除霊術が自然に溶け込んでいて、世界観の完成度の高さに脱帽。学園ものが好きな人にも、本格ファンタジーが読みたい人にもおすすめの一作！

霊の存在が国として認められた日本、霊災を祓うための除霊師や除霊師を育成するための学園の存在など、ワクワクする要素が沢山詰め込まれています。
ふとした日常から急に非日常に変わる緊迫感。力と知恵を使いながら霊との戦う除霊師たちの生き様が痺れます！

個人的にたい焼きが食べたくなったので明日買ってこようと思います。

国家レベルで「霊災」に対処していくというスケールの大きさと、学園を舞台にした青春と成長の物語が融合していて、とても惹かれます。


「現代×学園×除霊×ダークファンタジー」という要素の組み合わせも新鮮で、しかも“日常の危機”としての霊災描写はリアルに想像できてワクワクします。

仲間たちとの絆や、それぞれが抱える宿命にも厚みがあり、単なる除霊バトルを超えて「人間ドラマ」としての魅力が光っています。

闇と対峙する緊張感と、若さゆえの真っ直ぐな想いが交錯する物語。これからどんな展開が待っているのか、とても楽しみです。

ふつうの日常に、そっと忍び寄る怪異。
友だち同士のゆるい会話と、霊に触れる緊張感のギャップがクセになる。
晴北家の因縁も、悪霊とのやり取りも、どこか現実っぽくてじんわり沁みる。

怖いのに、不思議とあたたかい。
青春と祓魔がまじり合う、ちょっと変わった“現代怪奇”――
読後、静かに余韻が残る小説です。

惹き込まれる描写と重厚な設定が、読者を一瞬で「怪奇」の世界へと誘ってしまいます。
冒頭でいきなり提示される短編のような、とある者の回想が物語全体の不穏な空気感を醸成し、読者の好奇心を煽ってきます

ごく普通の女子学生が友人の噂話に耳を傾け、心霊スポットへと足を踏み入れる。その軽はずみな行動が、彼女の身に降りかかる不可解の始まりだとは、この時点ではまだ誰も知りえなかった……

その後、舞台は除霊師を育成する学園へと移り、個性豊かな登場人物たちが織りなす人間模様が描かれます。
彼らの軽妙な会話の裏側には、霊と向き合う除霊師としての責任、そして秘められた過去を垣間見ることができます。

ミステ…続きを読む