星渡りの不完全者　２章開幕！

まず、キャラが全員魅力的すぎる。
一見、ん？と思うような場面も、「きっと作者は分かった上で描いているのだろう」という安心感が不思議とある。
なぜなら登場人物らの生い立ちや経験による心理描写に、矛盾が無いから。
読み進めれば読み進めるほど、序盤の違和感が納得感に変わっていく。気持ちのよい体験です。

皆それぞれ不完全で、あがいてて、誰かを助け、助けられて。

加えて、この世界も不完全。

そんな状況の中、キャラクター達はどのように未来を切り拓いていくのか。

ぜひ、まだ見ぬ読者の皆さんと一緒に見届けたい。そんな作品。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（108文字）

SF作品の大半は導入が難解だ。
それは中世ファンタジーほどに読者の認識統一がなされていないからに他ならない。


だが『星渡りの不完全者』にそんな心配はいらない。


物語は“アリシア”と“リメア”二人の少女の出会いから始まるが、そこに堅苦しさなど微塵もない。
百合色を意識した日常系のような体裁でありながら、読者に無理を強いる事なく“SF”している点も素晴らしい。


本作をSFたらしめるキャラクターとして“AIホログラムのリッキー”が登場するが、彼はリッキーという第三者視点、会話のキャッチボール役として、縦横無尽に活躍してくれる名サブキャラクターだ。

私が特に気に入っているのは、リメアと…続きを読む

リメアとアメリアの2人にリッキーというホログラムの3人の何気ない体験や日常会話で物語が進んでいきます。

その飾らない素直な会話がとにかく自然で良い！！

リメアはちょっと、いやかなり普通ではないけれど、その特殊性もさることながら、普段の心の交流の巧みさ、テンポ感、そして少しずつ打ち解けていく関係性、そこから物語に引き込まれてしまいます。

何なんでしょう。
続きが気になって仕方がないです。

一気に更新されていたのでプロローグ〜4話まで読み終えましたが、4話の時点で「えっそんな描写あった？もしかしてプロローグのあの描写？」と思い、もう一度プロローグに戻ってきてしまいました。

まだまだ伏線が張られている気がしますし、それすらミスリードな気もします。

これからの展開が楽しみです。