星渡りの不完全者は、壮大な宇宙を舞台にしながらも、非常に読みやすく、感情に寄り添った物語が魅力の作品です。
人類が精霊の力を借りて宇宙へ進出した未来という設定のもと、精霊を要因に歪んだ人類歴史へと絡んでいく濃厚なSFです。
世界観の設定、描写共に見事です。
孤独な少女リメアが未知の星々を渡り歩く本作は、一見するとスペースファンタジーの王道のようでいて、その本質は“人と人との関係性”が重視されたヒューマンドラマだと感じました。
特に印象的なのは、各異なる価値観や社会が描かれ、その中で生まれる“すれ違い”や“理解”が丁寧に積み重ねられていく点です。
単なる異世界巡りではなく、それぞれの文化や倫理の違いがリアルに描かれており、読者自身もまるで旅をしているかのような体験ができます。
また、主人公リメアのキャラクター性も非常に魅力的。ハチャメチャで。ポンコツで。泣き虫で。でも泣きながら前に行く勇気を感じます。
ふくれっ面が目に浮かびますw
無邪気さと強さを併せ持ち、困難な状況でも前向きに進んでいく姿は読んでいて自然と応援したくなっちゃいました。
その一方で、世界は決して優しいだけではなく、精神を揺さぶるような過酷さも内包しており、人となりと残酷さの対比が作品全体に深みを与えています。
さらに、本作はSFでありながら難解な専門用語や複雑な設定説明に依存していないこと。
組み上げが上手く、想像力に富んだ世界観へと昇華できていて。物語そのものの面白さで読者を引き込む構成となっています。
そのため、実はSFに馴染みのない読者でもスムーズに入り込める点は大きな魅力だと感じます。
総じて、本作は「冒険」「成長」「出会い」といった王道の要素を持ちながらも、繊細な感情の積み重ねによって読者の心を静かに動かす力を持った作品です。
キャラクターたちの不完全さがむしろ魅力となり、その一つひとつが物語に濃さを与えているかと…!
心を動かす物語を求めている方に、ぜひおすすめしたい一作です!
破天荒でヒーロー適性のある肉弾派少女、リメアの宇宙冒険譚です。
難しい設定説明の塊はまったくない、ストーリーを純粋に楽しめる親切設計の小説です。
本作の特徴は、異なった社会観を持つ異星を渡り歩くところにあります。
リメアは本来なら現代日本人的な常識を持っている、倫理観的にはまっとうな子なのですが、滞在先の社会が少し異なった価値観で構成されているために、カルチャーショックを受けてしまいます。
滞在先の人たちが、特段悪意をもって行動しているわけではなく、その人たちなりの生活に即した善意で動いているのが、とてもリアルに人間社会を描けていると思いました。私たちが旅行をして味わう、そういった文化のすれ違いが丁寧に描かれているのが他のスペースファンタジーとは一線を画す所と言えます。
さらにリメアとアリシア、後に相棒になるアーヴィなど、キャラクター造形はそれぞれ個性がはっきりしていて、とても魅力的に感じました!
キャラが全員魅力的すぎます。
主人公のリメアはとても活発で、好奇心旺盛でな女の子。
彼女は精霊と人間のハーフで、持ち前の力持ちとエーテルを駆使して困難を乗り越えていきます。
アリシアは、強がりで、臆病で、背伸びをしたいお年頃の女の子。
リメアと出会い、様々な経験をします。
この二人の掛け合いや行く末が尊くて、、
とりあえず9話まで、9話まで読んで……!
その後登場するアーヴィ君は、とある血筋の男の子。カリスマというか、ついていきたいリーダーってこういう人だよなあ、、を具現化したようなイケメンショタです。
このショタがいちいちかっこよくて、でも抜けているところやおちゃめな部分もあって、私は彼の魅力に首ったけです……
なぜここまでキャラ達が魅力的に思えるのか。やはり彼女達の心情に矛盾がなく、「生きている」と感じられるのが一番大きいかなと思います。
苦悩し、考え、頼り、間違え、後悔し、乗り越える
この過程がとても丁寧にえがかれているので、どのキャラにも感情移入ができます。
SFが苦手な私でしたが、気づけば最終話まで一気読みしていました。
続きが気になって仕方ありません!
あとアーヴィ君かっこよすぎです。困ります。
SF作品の大半は導入が難解だ。
それは中世ファンタジーほどに読者の認識統一がなされていないからに他ならない。
だが『星渡りの不完全者』にそんな心配はいらない。
物語は“アリシア”と“リメア”二人の少女の出会いから始まるが、そこに堅苦しさなど微塵もない。
百合色を意識した日常系のような体裁でありながら、読者に無理を強いる事なく“SF”している点も素晴らしい。
本作をSFたらしめるキャラクターとして“AIホログラムのリッキー”が登場するが、彼はリッキーという第三者視点、会話のキャッチボール役として、縦横無尽に活躍してくれる名サブキャラクターだ。
私が特に気に入っているのは、リメアとリッキーによる、ほぼ二人の掛け合いだけで構成された『第12話 星の架け橋』
所謂“星間移動”の話なのだが、その臨場感ときたら特筆もので、その場の空気と覚悟まで伝わってくる神回。
本作は場面転換も豊富で、ネタバレをしてはあまりにもったいないという思いから、やむを得ず自重するが、この作品の魅力を存分に語らえない事が残念で仕方がない。
『星渡りの不完全者』この作品は物語の構造ゆえに、その面白さが外に届きにくい一点のみを欠点とする為、稚拙ながらレビューを書かせていただいた。
どうか読者の皆様に知ってほしい。
『星渡りの不完全者』の魅力を!
そして、本作を目にした暁には、大いに驚き、私と一緒に涙を流していただける事を切に願っている。