空手少女と引きこもり黒魔術少女

高坂葵、16歳。実家の空手道場で稽古に明け暮れる、真面目だけが取り柄の女子高生。
そんな私の平穏な日常は、一人の少女によって、甘く、そして見事に崩壊した。

7年ぶりに再会した幼馴染、リリー・ヴァレスク。
記憶の中にいた天使のような彼女は、ゲームに溺れ、ネットスラングを操る口の悪い引きこもりへと、変わり果てていた。
……ただし、その可愛さだけは、神様が特別にえこひいきしたとしか思えない、破壊力抜群の特級品！

「僕、葵がいないと息できないから」
そう言って甘えてくる彼女の世話を焼くうち、幼い頃に交わした『騎士と魔法使い』の約束が、私の胸を締め付ける。
生意気な言葉の裏に隠された、彼女の寂しさと、不思議な魔法の秘密。私は、この薄闇に住む姫君を、今度こそ守り抜くことができるのか？

凛とした空手…続きを読む