概要
「おまえ、なめてんの? ちゃんとやれよ」
失礼な。俺は俺なりにちゃんとやっている。
ただ、音楽と体育のセンスがないだけだ!
放課後、俺は一匹のカメを助ける。
カメは、助けてくれたお礼に、俺の望みを叶えてくれると言うのだが……。
笑いあり、涙あり(たぶん)。
日常から、半歩はみ出したファンタジー。
カメが、ただしゃべっているだけのお話ではない!……はず。
※このお話はフィクションです。
※作中に特定の疾患に関する描写がありますが、個人差が大きいものであり、すべての方がこの症状にあてはまるものではありません。また、作者には、この疾患にかかっている方々、それを支える方々の尊厳を傷つける意図は一切ありま
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!彼はある日、願いを叶える不思議な亀と出会った。
タイトルから得られる情報をいい意味で裏切り、
読後は全く違う意味に捉えられる仕掛けが面白く、ハートフルな世界に疲れた心が暖かくなる⋯そんな作品です。
作中には社会的な問題も出てきており、同じ思いをしている方には特に刺さると思いました。
本作の主人公の英介くんが出会う一匹の喋る不思議な亀・ミッシー。この少し図々しい(?)ミッシーとの出会いを皮切りに英介くんの周りでは変化が起こり始め⋯?
友人の渋川君とのずるい関係性。そして大切な『ばあちゃん』とのやり取り。人間関係のリアルさというのもリアルに描写されていて素晴らしいと感じます。
ノスタルジックでちょっと不思議な亀とのお話。
是非覗いて…続きを読む - ★★★ Excellent!!!言葉の裏に流れるもの
珠玉のジュブナイルです。
作品タイトルを見たとき、ふとした先入観が浮かぶかもしれません。
でも、それを抱いた瞬間から、あなたもまた
この舞台の“演者〟のひとりです。
主人公の少年の視点で描かれる世界には、
何気ない偏見や無理解、蓋をした憧憬、罪悪感――
大人の日常にも通底する、答えの見えない問いや、掻き消されてしまう声が、
少年特有を曖昧さも伴いつつ、鮮烈に捉えられています。
そして作者様は、カメという寓話的なモチーフを通し、
それらエッセンスをあくまで柔らかく、説教じみることなく、
静かに、やさしく、笑いもまじえながら、
差し出してくださいます。
ペンネームに託された想いが透け…続きを読む - ★★★ Excellent!!!いい意味でタイトル詐欺、コメディのつもりで読むと不意打ちを喰らう
このタイトルから思い浮かぶのって、大体陰キャによる陽キャへの恨み節に傾倒した、歪んだ青春小説みたいな内容だと思うんです。
でも違いました。
初めこそそういう方向性の傾向はありましたが、読み進めるうちにそんなことがちっぽけに思えるような、人間味あふれる奥深いドラマが、ぽつぽつ、切々と綴られていき、やがてその流れは止めどない激流となっていきます。
その一連の語られ方が実に丁寧で、思わず自身の経験にも重ねてしまいました。
結果として、願いをかなえる亀さんは、確かに主人公の願いをかなえました。
しかし、その願いはなろうやカクヨムでよく語られるような、安っぽいチートパワーによる話題性だけの都合のよい…続きを読む