【KAC20254】君になる夢

例えるなら
SCP

例えるなら、
ドグラマグラ、ジェイコブス・ラダー、Serial experiments lain、マルコヴィッチの穴
に通ずる、思考迷宮。

その先に待っているものは、
トロッコ問題に並ぶ思考実験の、スワンプマン問題でございます。

スワンプマン問題については、物語を読んでいただければわかります。

怖い、というよりも、
どこまでも不穏で、
どこまでも哀しい物語にございます。


お勧めです！　ご一読を！！

　自分とは何か。意識とは何か。そういう「当たり前」なことを揺さぶってくる物語です。

　主人公は「ある小説」を読んでいる。その中では「人を殺す夢」を何度も見ているという人物が出てくるとされる。
　そして本作の主人公もまた、「雷に打たれて死ぬ夢」を何度も見ているという。

　小説の内容について、主人公は「よくわからない」という印象を持つ。作者は一体何を言いたいのだろうか、と。

　そうして物語が進む中で、主人公は自分の認識にはどこか違和感があると気づく。
　同時に、ずっと頭の中で自分に語りかけてくる「誰か」がいることも理解する。

　本作では「現実とは何か」というテーマが掘り下げられて行きます…続きを読む

　投稿されたWeb小説。

　作者はなんと……永野よる。
　そう、「あの」シナリオライターです。

　読者である主人公と語り掛けてくる声が主体になって進むストーリー。
　二人称という珍しい形式が、効果的に用いられていると感じました。

　次第に明らかになる関係性、小説のタイトルや内容の真相。

　うーん、この結末は泣くしかない。