スフィンクスが何だか可愛いキャラでほんわかしてしまいますが、そこは謎かけの聖獣、謎かけに誇りを持って(できれば勝てそうな)英雄に勝負を挑む……が、勝てない!
どうしても敗けてしまう、相手は筋肉なのに、筋肉のクセに、なぜ……?
「筋肉なら謎かけ弱いだろ……」という『先入観』。その大いなる『先入観』までもギミックとし、どんでん返しを生み出す力量、もうお見事としか言えません!
終始ノリとテンポ良く進み、上手く問題提起の目隠しを散りばめ、真実に気付かせない手腕も素晴らしい。でもヒントは所々に出ているのですよね、最後に「なるほど!」となってしまいますので……!
今回はコミカルな描き方やオチも楽しく、思わず笑えてしまうのも特徴。
どんでん返しの驚き+コメディの楽しさ、是非ともご一読をおすすめしたくなる痛快な作品です――!
テンポの良いギャグで笑い、真相に驚いて『やられた』となるミステリーです!
舞台はギリシャ神話。解けない謎を出すことに文字通り命懸けのスフィンクス達が、謎を解かれた長男のかたきを討つ為に英雄に挑む、という話ですが…。
選んだ相手は『筋肉大好き』と叫びまくるヘラクレス! スフィンクス君達、肉体派は脳みそまで筋肉だから勝てそうとか思ってないかい!?
いくらヘラクレスでも、謎解きには負けるかも? しかし、このヘラクレス、謎解きでも天下無双でした。
言動は脳筋に見えるのに、どうして彼が謎を解けるのか!? ギリシャ神話の世界ならではのトリックがありました。
KACのお題を全部使ってハイレベルなミステリーを作成される技術力が凄まじいです!
さて、スフィンクス5兄弟対ヘラクレス 軍配はどちらに上がるのか。
ぜひ読んでみてください!
かつて、なぞなぞでオイディプスに負けたスフィンクスたちの復讐を描くコメディ×ミステリー。
なぞなぞを仕掛けるスフィンクスたちと、スフィンクスたちに付け狙われる英雄ヘラクレスを中心に物語は進んでいきます。
そして、軽快なテンポで展開する物語の中には、爆笑させられるポイントがたくさん待ち受けており、その面白さに読みだすと止まることができませんでした。
しかし、この物語はコメディであるとともに、きわめて精緻に書かれたミステリーでもあります。
面白さに目を奪われて爆笑しながら読み進めていくと、いつの間にか「なるほど!そういうことか!」と頷いている自分に落ち着いてしまうのです。
以前にも、作者様の他作品で同じように転がされてしまい、謎解きにきちんと身を入れなかったという後悔が残っていました。
そこで、本作では正面から謎解きに挑戦しようとおもいましたが……これが難しい!
思わず降参……再び心地良いテンポで読み出して、オチを見た途端、
「ああ!なるほど!」
しっかりと頷いてしまいました。
確認のために読み返せば、
「ああ……ヒントがしっかり配置されている!」
完敗でございました。
しかし、謎解きに挑戦して楽しむことができ、謎解きに降参して爆笑することができ……どちらにしても、素晴らしい体験をすることができました!
主人公はスフィンクス。
あのナゾナゾ好きで有名な、古代エジプトのモンスターです。
知性に誇りを持つがゆえ、ナゾナゾを解かれれば死を以て、恥をすすがねばなりません。
頭脳明晰なオイディプスにより、命を散らした長兄。
弟たち四体は敵討ちを決意しましたが、宿敵は既にこの世におらず。
ならば代わりに……と選んだ相手は脳筋野郎。
ピョンピョン跳ねてマッスルマッスル叫んでいるヤツなら、ラクに勝てるだろう。
スフィンクスたちが回す、命を懸けたPDCAサイクルの行方は――――
あれっ、そっちに行っちゃうの!?
個人的には、異世界転生感のあるペルセウスがツボ。
何やらスフィンクスが出てくるということで、
エジプトの話なんかなあと思っていたが、
登場人物は、オイディプス……ってシェイクスピア先生の三代悲劇のアレだよな?
自分の目を潰すアレだよな? しかもヘラクレスってのはギリシャ神話のアレだよな。
名前は……円谷プロのアレだな。
しかも問題は日本語で出題されておるし、エジプト!? ギリシャ!? 日本!?
と思ってしまったが、そんなことはもはや問題ではないのでしょうな。
ハイブリット文学という奴ですな。
物語は、ウルトラ……じゃないスフィンクスの兄弟の長兄が、オイディプスなるものに知恵で負け、スフィンクスの宿命にのっとり自決しないといけない。
これは仇を取るのが人情……じゃないええとスフィンクス情だろうということだが、
オイディプスはもう死んだ後ということで、代わりに戦えるレペゼン人間、すなわち天下無双のヘラクレスを代わりの仇として兄弟たちは勝負を挑むが……?
というお話。
ラストのタロウが出した問題は、この先生ならではの骨太な謎解きにございます。
……だが一つわからないのは、なんでスフィンクスにしたんだろう?
なぞなぞ出すからだろうか?
私の代わりにこの謎を解いてほしい。
……
……
……
……
……
……
……
……
……
……
……
……
ええ、ところで……
現在カヌレ先生の、筋トレのコーチを務めさせていただいている私ですが、
ここで吉報がございます。
先生はこの話の続編も……もちろんご用意してございます!!
「やっぱり、3つも国を跨ぐのは欲張りすぎですよ。日本に絞りましょ!?」
という私の提案を受け入れて下さった先生は、この話の続編を日本にいたしました。
牛の体に赤い皮膚。そして真っ赤な翼を持つ『レッド・ブル』兄弟。
(それぞれ名前は、マークツー・ヒャクシキ・メタス)
が、兄の仇を討つために通りかかった人間に問題を出し、知恵を比べるというものだ。
「我々の出身はどーこだ!?」
「『赤べこ』だから福島だバカヤロウ」
なんとなぞなぞを出した相手は、かの有名な噺家、立川談志(生きていた!!)だった!!
という物語を執筆中である! 先生の今後の活躍に期待しよう!!
なるほど、あの頃は顔写真などあるわけでなく身体的特徴で人物を特定していたのやも
のね。
スフィンクスの兄弟たちよ、見かけの筋肉に騙されてはいけまへん。
彼らは相手を見誤ってしもうた。
ベルリンの壁が崩壊したのも、ほんのちょっとした思い込みでそうなってもうたたよう
に、歴史って些細なことで変わるとということをらしくもないことを改めて感じた気が
しましてん。
片足立ちでケンケンしているのをダンス、お布団はどこに出てくるのかワクワクして待
っていたらクイズの中に。
最後の問題は難問でした。
でも、もっともの難問はケンケンしている男が、スフィンクス兄弟のなぞなぞをいとも
たやすく解き明かせたのはなぜかっちゅうことやねん。脳筋のはずの彼が。
そこに全ての謎が、おっと、お口チャック。
どうぞ謎解きをお楽しみくださいませ。
スフィンクスたちは倒された兄の仇を討とうとするけど、怨敵であるオイディプスが既に死んだという噂を聞いて、代わりの相手を探す。
その結果、ヘラクレスを代わりに倒そうと決めた、でも、うまくいかなくて……という話。
神話の登場人物たちがたくさん出てくるので、知っているとくすりと笑える場面が多いと思います。
もちろん知っていなくても、十分面白いですけどね。
出てくる問題は有名なやつばかりなので知っている人も多いでしょうね。
最後の問題はなぞなぞが好きな人は楽しめると思います。
今回もこの作者特有のあっと驚かせる意外な真相が後に判明するので、そういうのが好きな人は期待通りの内容だと思います。
勉強になる上に物語としても面白い、素晴らしい作品でした。
体育会系に頭脳勝負を挑もうとする小ズルいスフィンクスたち兄弟のおもしろおかしい物語です。
スフィンクスたちは脳筋であろうヘラクレスに目をつけ、なぞなぞを出題して彼を打ち負かそうと一人ずつ挑んでいきます。
しかし、みんな返り討ちに……。
きっとズルをしているんだろうとアレコレ考えますが、どんな対策をしても無駄に終わります。
それもそのはず。なぜなら……
おっと、ここで問題です。その理由は何でしょうか?
本作はスフィンクスたちの「なぞなぞ」に対する謎解きと、「脳筋のはずのヘラクレスがなぞなぞを解ける理由」を解き明かす謎解き、それら二つの謎解きを楽しむことができます。
ぜひ濃密な謎解きタイムに興じてみてください!