勇者の剣に選ばれずとも

｢勇者の剣を抜く者こそが、魔王を討つ資格を持つ」
世界に古くから伝わるその言葉を信じ、レオンは仲間と共に旅を続けていた。

しかし、辿り着いた神殿で待っていたのは、剣が抜けないという現実 だった。
勇者にはなれなかった。
魔王を討つ力を持つはずの剣は、彼を認めなかった。

それでも、レオンは戦うことを選ぶ。
「剣が抜けなくても、勝てばいい。」

彼を支えるのは、 戦場で支援を施す錬金術師、炎を操る幼馴染の魔術師、仲間を守る盾役の戦士、そして共に剣を磨いた親友の剣士。
勇者のいない戦い方を模索しながら、彼らは魔王討伐の道を進んでいく。

──しかし、世界はそれを許さなかった。
「勇者がいないなら、勝てるはずがない」
そう嘲笑う魔王軍に、敗北を刻まれる。

仲間が傷つき、心が折れかけた時、レオン…続きを読む