概要
セミプロのセの字の無い、武道経験が全く無い二人が殴り合う中で何を得るのか――。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!信念もプライドも傷が語ってくれるだろう。
身分も年齢も違う2人の一般男性。
共通項は「自分を持たない」ことだけ。
そんな彼らは近所でアマチュア格闘の場が開催されることを知る。
何気なく入った彼らが目の当たりにしたのは、すべてを暴力が支配する異常な光景であった。
・
「外敵との戦いではなく、自身を賭ける戦いということだ――」
Fateという有名なゲーム作品の中で、泥臭い格闘戦を繰り広げる場面がある。
格好良い必殺技で相手を叩きのめすことが原則だった当作品において、あまりに地味なこの戦いはしかし、観たものの心を熱く震わせた。
この作品にはそのスピリットが感じられた。
他のレビュアーの方も述べられてい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!素人同士が殴り合う、だからこその熱さがここにある
※読み合い企画からのレビューです
物語は非常にシンプルだ
映画好きの中年リーマンと、毒親持ちのチー牛が、素人同士の格闘大会で殴り合うだけ
にも関わらず、本作の熱気は異常であり、まるで目の前で二人が殴り合っているかのような臨場感がある
素人だから、技の冴えがあるわけではない
素人だから、スマートな試合になるわけでもない
だが、素人だからこそ、何が起こるかわからないドキドキ感に繋がっている
そして、主人公の二人にもそれぞれ魅力がある
「何かが足りない」と違和感を抱き生きていた中年サラリーマン
卑屈で下ばかり向いて生きてきたチー牛
特にチー牛のほうが、人生すべての鬱屈を怒りに変えて獣のように…続きを読む - ★★★ Excellent!!!日本版『ファイトクラブ』あるいはアマチュアの栄光
読んですぐ
「これは日本版ファイトクラブだな」
と思った。
サラリーマンの映児が「僕」で、ニートの基久が「タイラー・ダーデン」であろうか。
あるいは映児も基久も社会からのプレッシャーで押しつぶされそうな自分を、血まみれになって殴り合うことでとりもどそうとする「僕」かもしれない。
映児の格闘技の知識がすべて映画で、勝負を終えた基久が手にするトロフィーが「ネットの仲間たちの賞賛」なのがリアルだった。
映画『ロッキー』で試合を終えたロッキーはタイトルは逃がすが、エイドリアンの愛を手に入れる。
それに比べると基久が手にしたものはみすぼらしく見えるが、そんなことはない。
ロッキーは「自分がただのチ…続きを読む