概要
この作品は百合がメインテーマですが、男性との絡み、それも肉体関係を持つような展開が含まれています。紹介文の最後にもう少し具体的、ネタバレ有りの説明があります。
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中世ヨーロッパみたいな倫理観の社会で百合結婚を実現するのにはどうしたらいいでしょうか?
もし比較的に現実的な手段しか使えないなら、やはりその婚姻を「政治的に有益なもの」にするしかないでしょう。そう、これは一方的な(?)恋から始まり、前代未聞の政略結婚で終わる物語――(おそらく恋愛45%、政治40%、エロ15%の割合です)
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乙女ゲームの悪役令嬢に転生した主人公だが、破滅を回避する過程でヒロインに好かれてしまい、とうとう攻略対象たちを差し置いて、魔王討伐でヒロインの聖女とペアを組むことにな
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!聖女の恋が政治を動かす、骨太百合譚。痛覚の描写が凄い。制度設計も熱い!
悪役令嬢×百合×ARPG転生を、軽妙な一人称と堅実な設計で牽引する快作である。魔王城の冒頭で「バフ…じゃなくて」とメタに滑り込む掴みが巧い。
見どころは“痛み”の実在感だ。魔王の自爆瘴気から聖女オーリスタを庇う場面、黒い氷の寒気が骨に刺さり、昏睡明けに空白の106日が突きつけられる展開が鮮烈である。
論功行賞の玉座の間では、黒い礼服と純白の礼服の対比の中、「生涯の伴侶」宣言が炸裂。ざわめき、重臣と教会の視線、国王の慎重な“持ち帰り”まで会話の球筋が明快だ。
続く制度設計パートも骨太。枢機卿との密談で課税・司法権の欲求を見抜き、合議裁判と税の公益再配分を提示して物語を「統治」へ広…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ナーロッパの貴族制度の中で百合な女性が幸せな結婚へと突き進むバイブル
ナーロッパ風の男性中心の貴族社会で百合の女性が"周囲に認められる幸せな結婚"をするために奮闘する物語。
結婚とは何かと改めて考えさせられます。
本人達が愛し合ってれば良い!
そんなわけない。周囲が認めなければ、幸せな結婚とは言えない。
制度なんて関係ない!
そんなわけない。制度がないと結婚とは認められない。
子供なんていらない!
そんなわけない。貴族社会で跡継ぎ問題を抜きに結婚なんて出来ない。
それらの問題を社会的に、倫理的に、利益を産む構造で認めさせてこそ、初めて"周囲に認められる幸せな結婚"になるんだと、最後まで貫き通されてます。
そして裏の抜け道というか、たまに手段の取り口…続きを読む - ★★★ Excellent!!!禁忌の壁に挑戦する愛の物語
中世ヨーロッパ風の世界観を舞台に、乙女ゲームの悪役令嬢として転生した主人公ヴィアンシアが、聖女オーリスタとの関係を通じて困難を乗り越える物語。魔王討伐後、呪いによって特別な状況に陥ったヴィアンシアが、オーリスタから婚姻を提案されるところから物語は動き出します。
中世ヨーロッパ的な倫理観が支配する社会で同性婚を成立させるという挑戦的なテーマが光る本作。史実では中世ヨーロッパにおいて同性愛は厳しく罰せられ、同性婚など想像すらできない時代。結婚は男女間の契約と定義され、子孫を残すことが最重要視されていました。同様の背景の中で、この物語は同性婚を実現するために政治的駆け引きや宗教的正当化を巧み…続きを読む