概要
物語は、現代の新宿区落合斎場から始まります。亡くなった美女競馬評論家(優里亜)のお通夜に出席した、元恋人(なのか?)の主人公(大山啓太郎)が、故人の弟子(エリナ。美女タレント)を相手に、昭和時代の競馬場で起きた出来事を述懐する、というものになります。その中で、優里亜がやっていた詐欺まがいの所業や、エリナの優里亜に対する愛憎など、ディティールが徐々に明らかになっていきます。とはいえ、心理描写も別段重いものでもなく、競馬もトリックも特に専門に特化しておりませんので、競馬をされない方でも十分読んで頂けると思います。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!今は亡き姉御と昭和に捧げる……。
ちょっと二人の感覚に近づきたくて青リンゴサワーを飲み、ゲソの唐揚げをつまんでこの話を読んだが、めちゃくちゃ良かった。
主人公、大山が大学三年生の時、峰不二子が現実に出てきたみたいな美女、優里亜と出会うところから始まる。
昭和50年代といえば、ハイセイコーが出てきて多少女性の観客も競馬場に見かけるようになった頃だろうが、それでもまだ煙草の香りと雨に濡れて地面に張り付いた競馬新聞、そしてオヤジたちの汚いヤジが飛び交っていたに違いない。
優里亜の弟子である30代のエリナが推し馬を応援するみたいなクリーンな空気とはまた違った空気を大山は吸ってきたんだろうと読みながら思った。
かく言う僕も、エリナ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!あなたに会えた日
南城治優里亜、という競馬評論家の死をきっかけに、主人公の大山啓太郎は彼女との出会いを思い出す。と、ロマンティックでノスタルジックなはじまりをする物語。
競馬と聞くと、難しいイメージをお持ちの方もいるかもしれないが、登場人物の関係性メインに書かれているので、競馬の知識は無くても楽しめる作品と思う。流石に、馬という動物が地球上に存在することくらいは知っている方が良いと思うが……。
個人的には、昭和の雰囲気をどこか味わうことができる点もこの作品の魅力だと思う。人によっては懐かしく、人によっては新鮮な雰囲気だろう。懐かしみたい人も生まれる前の世界を少しのぞきたい人も、気軽に読んでみてはどうだろう…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人生の営業収支と営業外収支、それを合わせての最終決算だ!
競馬に纏わる話。競馬ファンにはたまらないストーリー。それにバブル期に一世を風靡した永遠の美の象徴が加わります。あの頃に生きた男子にとってはたまらないスイートメモリー。
私が本作を競馬馬に例えていうなら、第4コーナーで全ての馬をスローモーションに陥れる「ミスターシービー」のような、ラストの興奮がクレッシェンドのように駆け抜ける作品です。興奮のあまり、馬券を握り潰さないように注意願いたい(笑)
なお、さすがギャンブル小説。この筆者は人を自分の世界に引き摺り込むのはお手のもので、筆者の得意技とする「スピンオフ」大作戦がこの後展開されており、お金ならぬ、気づいたら日曜日の時間を全投入ということに…続きを読む