アメフラシの詩

「自然界を操る神官の子孫には高額の報奨金がかかっている」
　王府を無実の罪で追放され、自然界の精霊の力で守られている山にひっそりと暮らす神官の一族がいた。
　神官様の直系である一人娘、キヨを守る為、護衛を務める少女、アマネ。
　幼少期にアマネに恋をした、村に往診に来ていた薬師の息子、ガイ。
　ガイは十一歳の時に、「常に命を狙われているアマネを嫁に欲しいのなら、武道を極めて強くなりなさい。それまで会う事は許さない」と薬師の父に命じられていた。
　亡くなった両親の跡を継ぎながら島一番の武人となり、キヨの発病によって薬師として帰ってきたガイと再会したアマネは強く美しく成長していたが、アマネには片思いをしている青年がいた。

「お嬢の護衛だから何だ。強い女だからって何だ。あんたは、俺が守る。」

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