お医者さん。
それは優しい人。
わたしが小さいころ、
熱が出たり、急に具合が悪くなったとき、近所の町医者の先生は、夜中でも診察してくれました。
『けんちゃん、大丈夫かい?』
具合が悪いのだから、大丈夫じゃないけど、そう言って優しく頭を撫でられた思い出があります。
その先生は年配で、カルテはドイツ語で書いていました。
なので、わたしはずっとお医者さんは、カルテをドイツ語で書くと思ってました👀💦
天宮リョウカ様の
この青を、君に。
このお話の主人公、健吾先生も
スゴく優しい人です!
優し過ぎます。
自分のことよりも、
周りの人のことを真っ先に考えてます。
優しい と 優れるは同じ漢字です。
優しいということは、優れていることだと思います。
離島で医者をやるのが夢だったと話す健吾先生。
沖縄の離島の診療所で、医師を始めて3年。
そんな、健吾先生にお便りが届きます。かつての恋人からの手紙。そこには何が書いてあったのでしょう。
ぜひぜひ、お読みになってくださいませ😊
沖縄の離島診療に憧れと情熱をもち赴任した医師、健吾。
彼の選択は同時に、東京で育んでいた夏美との関係を終えることでもありました。
三年後に届いた彼女からの手紙は健吾に日々に埋もれたかつての思いを呼び起こさせます。
青い空、吹く風の暖かさや初夏の匂い。
瑞々しい情景に彩られた日々にも、ほろ苦い思いを仕舞う瞬間は訪れます。
──君は、幸せでしたか?
問いかけは心の裡に響きます。
健吾の今いる場所。選んだ場所。
絵の具のような濃い水色の空と、青緑色の海。そして素朴で人懐っこい人々。
島の鮮やかな色の中で送る日々は、過ぎる時とともに新たな出会いをも連れて来ることでしょう。
春にふさわしい人生の節目を描き出す物語です。
皆さまどうぞご覧ください。
主人公の健吾は南の孤島の診療所に勤務する内科医。
東京の彼女からの手紙文からはじまる冒頭なのですが、同封された写真を見て、それまで穏やかだった心の海がさざなみのように変わっていきます。
潮の満ち引きのように訪れる地元の患者さんたち。
どこか健吾の胸の奥の波打ちを時の流れで和ませるようで心地よく、優れた心情描写を感じます。
当時、有能な小児科医として活躍する彼女の将来は、青い未来の夢色に包まれていました。
健吾の抱く海と空の見える美しい青い夢色で抱きしめても、重ならなかった切なくも儚い夢。
時を経た今を過去の熱で温めても、瞼の裏が覚える涙の温度が上回るようで、直視できない写真が赤く染まりゆくシーンに感情が色濃く胸を打ちます。
そんな色彩のわだかまりを打ち消すようなラストは清々しく、にわかに報われるような温かい読後感が得られます。そんな美しい青色の下で思いを馳せたくなる切なさとあたたかさがいい塩梅の掌編です。