いつの間にか、『こっち』が語源だったような気がしてきた

 『ふてほど』。これ、どういう言葉なのか知ってる人います?
 え? ドラマの話? いえいえ、違いますよ。そのドラマはただ、タイトルを略しただけのものです。

 『ふてほど』っていうのは、もっと違う意味があったんです。
 この作品を読むまで、ずっとドラマのタイトルだと思って生きてきました。なんといっても流行語大賞にも阿部サダヲが登壇しているんですから、そっちが本家だと思ってしまいますよね。
 ですが、違ったんです。

 まさか、こんな切り口の小説があるとは思いもしませんでした。
 何とも言えない、異様な説得力。『ふてほど』って言ったらこういう意味だろうと、読んでいく内にもう、それ以外に考えられなくなっていくようになります。
 五感に訴えるリアリティ。これを一度読んでしまったら、もう読む前には戻れません。

 でも、是非読んでみることをオススメします。きっと明日から、見える世界が違ってくるから。

その他のおすすめレビュー

黒澤カヌレさんの他のおすすめレビュー587