死ぬまでゴロゴロしておきたい! 生贄ニートの生活ははたして?

『我が子ヴァンへ
 そろそろ勇者ファネルの寿命がやばい。だから代わりに異世界から生贄攫ってきた』

 父親にして英雄ブラムから、生贄こと京野太郎(タロウ)とセットでそんなメモを託されたヴァン(しかも本人と一緒に読んでしまう)。

「俺、生け贄にされて死ぬんすか?」

震えるタロウに、そんなことないよと言ってやりたいヴァンだったが、このままだとこの世界が崩壊してしまう。
だが懇切丁寧にこの世界の仕組みと結界についての説明すると、タロウは喜ぶ。


「結界の維持のために引きこもっていればいいんすね!? 良いやん良いやん! 生け贄どんとこい!」


彼は六畳の1Kに引きこもってた系ニートだった。

だが問題がある。この世界は魔法が使えるが、日本人であるタロウは魔法なんて使えなかった。
というのも、色々(アイアンクロー食らったりチョップ食らったり)あって魔力が枯渇してしまったのである。タロウはこれから、その魔力を満たす方法を探すことに。
ヴァンの導きもあって、少しずつ生きていく術を身につけながら、この世界を守る五英雄に会いにいくのであった。

「これめちゃくちゃ美味いっす! 美味いっすよヴァンさん! 天才かも! いやこれは天才っすわ! ウマー!」

料理上手なヴァンを、全力で称える素直なタロウ。

『タロウ、プックルノ、子供』

タロウの足となり母親役になるプックル。


『それがし、ヴァン殿のお嫁さんに立候補したでござる!』

そしてヴァンに助けられ恋に落ちたレイロウのロボ。


ファネルの寿命はあと一年。果たしてタロウは、立派に生贄になれるのか?

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