死ぬまでゴロゴロしておきたい! 生贄ニートの生活ははたして?
- ★★★ Excellent!!!
『我が子ヴァンへ
そろそろ勇者ファネルの寿命がやばい。だから代わりに異世界から生贄攫ってきた』
父親にして英雄ブラムから、生贄こと京野太郎(タロウ)とセットでそんなメモを託されたヴァン(しかも本人と一緒に読んでしまう)。
「俺、生け贄にされて死ぬんすか?」
震えるタロウに、そんなことないよと言ってやりたいヴァンだったが、このままだとこの世界が崩壊してしまう。
だが懇切丁寧にこの世界の仕組みと結界についての説明すると、タロウは喜ぶ。
「結界の維持のために引きこもっていればいいんすね!? 良いやん良いやん! 生け贄どんとこい!」
彼は六畳の1Kに引きこもってた系ニートだった。
だが問題がある。この世界は魔法が使えるが、日本人であるタロウは魔法なんて使えなかった。
というのも、色々(アイアンクロー食らったりチョップ食らったり)あって魔力が枯渇してしまったのである。タロウはこれから、その魔力を満たす方法を探すことに。
ヴァンの導きもあって、少しずつ生きていく術を身につけながら、この世界を守る五英雄に会いにいくのであった。
「これめちゃくちゃ美味いっす! 美味いっすよヴァンさん! 天才かも! いやこれは天才っすわ! ウマー!」
料理上手なヴァンを、全力で称える素直なタロウ。
『タロウ、プックルノ、子供』
タロウの足となり母親役になるプックル。
『それがし、ヴァン殿のお嫁さんに立候補したでござる!』
そしてヴァンに助けられ恋に落ちたレイロウのロボ。
ファネルの寿命はあと一年。果たしてタロウは、立派に生贄になれるのか?