心をかよわせる温かみ
- ★★★ Excellent!!!
ただ立ち続ける桜の木には、意識といいますか、自我といいますか、とにかくそのような人間らしさがありました。
大日本帝國の時代に、その桜の木に話しかけたのは、眉目秀麗でありながら病気がちな清三郎という男性。
彼は桜の木と心を通わせ、「小百合」という名で呼ぶようになりました。
病弱な体で故国のために何もできないことに苦しむ清三郎と、それを見ることしかできない小百合。
それでも、二人の心は通じ合っていたのです。
それだけで、清三郎の心が救われたのではないかと感じるほどに。
この作品から感じる温かみは、実際に読んでみなければ分かりません。
是非、ご一読ください。