話をすることで、元には戻れなくとも、前には進めるのかもしれない

灯里は、中学生の時に付き合っていた桐生くんと、偶然再会する。
桐生くんとは、ある日を境に別れたきりで、話をすることも放棄していた。
彼の傷ついた表情が忘れられないまま、ずっと気になっていた灯里は、桐生くんともう一度話をすることを決意する――。

時が経ち、落ち着いて話をすることで、心の引っかかりが取れて、前に進めるようになる場合もありますよね。
夏が来る度に、傷ついた顔を思い出してしまうのか。それとも、笑顔を思い出すのか。
灯里たちのように、勇気を出して話をすることで、心に刺さった棘が抜け、すっと軽くなるかもしれない――そんな応援歌のような作品だと感じました。
甘くてほろ苦い、青春のひとときを思い出すような素敵な作品でした!

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