第45話までのレビューとなります。
愚かな王の政策により故郷の村を襲撃され、大切な家族と幼馴染を失った主人公レクノア。
躯幹四肢の不自由を余儀なくされる絶望の中、シアという不思議な女性と運命的な出逢いを果たし、生きる希望を見出す物語です。
甲斐甲斐しくもレクノアの身の回りの世話をしてくれるシア。彼女に依存するほど、心が惹かれていくのは多くの方が共感できる心理でしょう。そして、負い目を負う彼の精神は良心の呵責に苛まれながらも、レクノアは自身の心に誓うシーンは胸熱です。
俺は幸せになんてなっちゃいけない。
俺が必ずみんなの仇を取るから。
真の心の強さは相手を思いやる慈愛の心。
お互いの絆は愛には届かなくとも、真の心のパートナーと呼べるのではないでしょうか。
愛憎の眼差しがどのような結末を迎えるのか。惹き込まれるストーリーとめくるページがその先を求めたくなる作品です。
愚王の謀りによって家族を失い、己の四肢すら動かすことが出来なくなった主人公レクロマがひとりの女性もとい聖剣であるアングレディシア(シア)と出逢って運命を取り戻すお話です。
シアは主人公のための剣になるだけでなく、感情が色として見ることが出来る能力を持っているのが面白いです。彼女はとにかく優しく献身的なお姉さんで、それなのにたまにやきもちを焼いたりして何だかとても可愛らしい一面も持っています。
愚王に復讐を誓うレクロマですが、シアの献身的な優しさに触れていくうちにその気持ちが揺らいでいくような気もします。
復讐譚となれば、救いようのない悲劇として終わりそうなものですが、本作がどのような結末を迎えるのか気になります。
四肢を動かせないレクロマが馬鹿にされたときも、いつもは人の姿なのに本当は剣のシアが道具扱いされたときも、2人がそれぞれ毅然とした態度を取ったシーンが印象的でした。お互いを本当に大切にしてて、深く信頼しているんだなと強く感じられます。
そんなレクロマとシアのやりとりは暖かくて、心が通い合う様を感じては、涙脆い私はつい涙腺が……。
個人的レクロマが武器の作成を依頼したときのシアの焼きもちがすっっっっごく可愛かったです。普段凛としてるシアなので、それはもう素敵なギャップでした。可愛い。この聖剣、とても可愛い。ぜひ読んでいただきたいシーンです。