クロジのレシピ帖
クマイ一郎
第0話 プロローグ
僕ことツキノワグマのクロジは、鎌倉で「トラットリア・クロジ」というイタリア料理店を経営している。当初はイタリア料理店として始めたのだが、生来の料理好きが
兄貴やその友達のクマイさんと協力しながら店をやっていくうちに、工夫を重ねてだいぶレシピがたまってきた。そして、せっかくだからこのレシピを公開していこうと思い始めた。
もちろん、多くのどうぶつ達が作れるように家庭向けに多少のアレンジをしつつ、特に初心者で失敗しがちなどうぶつ達でも作れるような、親切なレシピ帖を作れたらいいなと思っている。
そんな前置きがありつつ、僕を含む主な登場人物を紹介していきたい。
「どうも!初めましての方も、そうじゃない方もよろしくお願いします!僕はツキノワグマのクロジです!」
「ご安全に!ボクはホッキョクグマのクマイです!」
「うっす!おれはクロジの兄、ツキノワグマのクロイだぜ!」
「堅苦しいモノローグのあとに、ずいぶん軽いノリで入るんですねぇ」
「まあ、料理なんて堅苦しいものでは無いしね」
「このあいだ、昭和30年代の家庭料理の本読んだんだけどさ、導入部分がすごかったぜ!」
「どんな感じなの?」
「なんか、『これからは、科學の時代です。家庭の主婦もただ好みや作りやすさだけを考えていてはいけません。家族の健康を守る大事な仕事ですから、ただの分量と手順だけではなく、摂取できる榮養素についても記載しました。家庭の榮養管理は科學時代の主婦の大きな責任です』みたいな感じだったぜ」
「大きな理想ですねぇ。やっぱり当時はタンパク質とかが不足してたんですかねぇ」
「ビタミンとかにも注目され始めた時代だしな!鯨肉とかが多いのが時代を感じたぜ」
「今だと主婦にだけ管理をまかせるのか、とか文句言われそうだね!まぁ、そこまで立派な事までは考えてないけど、ちょっとしたコツをつかんで、みんなの料理の幅が広がってくれたら嬉しいです!」
「料理も作業ですから、安全にも注意しましょうね!」
「楽しんでくれたら嬉しいぜ!」
「そんなこんなで、これからレシピ帖を公開していくから、楽しみにしててね!」
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