第7話 アサリの中華炒め

 クマイさんが大量に買ってきた半額のアサリを消費していくレシピもついに締めくくりの第三弾となる。和、洋、ときたので、最後は中華風の料理を紹介していきたい。


「と、いうわけでアサリの中華炒めを作ろうと思うんだ!」

「いいじゃねえか!」

「ビールを冷やしましょうねぇ!」


 このレシピは「アサリの下処理」の回で紹介した剝きアサリとアサリエキスでも出来るが、今回は殻付きアサリから炒めていくレシピで紹介しようと思う。


「じゃあ、材料紹介ね!」


材料

・殻付きアサリ 200g (むき身60g アサリエキス50㎖)

青梗菜ちんげんさい 二束

・にんにく 1片

・紹興酒 100㎖

・サラダオイル 大さじ1

・塩 適量

・コショウ 適量


「割とシンプルですねぇ!」

「もともとはシンプルレシピ紹介というコンセプトで始めたつもりだったんだけど、だんだん凝ってきちゃったからね!」

「原点回帰だな!」


「やっぱり、青梗菜ちんげんさいじゃないとダメですかねぇ?」

「いや、手に入りやすい葉物野菜で中華っぽいから選んだだけだよっ!小松菜とかキャベツとか、白菜とかでも大丈夫だよ!」

「最近はちょっと変わった野菜もあるけど、どうなんだ?」

「ちょっとおしゃれなスーパーに行くと、アスパラ菜とか、福岡のかつお菜とか、いろいろ見るよね!アクが強くなければ色々な葉物野菜を使ってOKだよ!」


 とりあえず、今回のレシピは冒頭でも紹介したように、アサリを炒めるところから始めようと思う。


「まずは、フライパンにアサリとみじん切りにしたにんにくを入れて、紹興酒をふりかけて強火で殻を開かせていくよっ!フライパンに蓋をしてねっ!」

「ふりかけました!」

「強火にしたぜ!」


 ふつふつと紹興酒が沸騰し始め、アサリの殻が開いてきた。開いたものから取り出していく。これは、加熱しすぎるとアサリの身が硬くなるためだ。


「その間に青梗菜ちんげんさいを切っておいてね!」

「葉の部分と、硬い茎の部分はわけておけよ!」

「できました!!」


 アサリは全て殻をひらき、フライパンの隣のバットの上に並べられている。ここまできたら、青梗菜ちんげんさいの茎の部分を炒めていく。


青梗菜ちんげんさいの茎を入れるよっ!」

「入れたぜ!」

「茎の方が火が通りにくいから、先に入れるんですねぇ!」


 クマイさんの言う通り、火の通りにくい部分は先に炒めておく。十分火が通ったら、青梗菜ちんげんさいの葉の部分とアサリを戻し、サッと炒めて完成となる。


「さあ、これで塩コショウで味を調えて完成だよっ!アサリ料理は最後にかなら塩味を見て調整してね!」

「今回は簡単でしたねぇ!」

「まだ1000字も行ってないぜ!?」

「じゃあ、もう一品紹介しようかっ!」


 同じ中華炒めでも、今度は豆腐とアサリを使った炒め物だ。


材料

・殻付きアサリ 200g (むき身60g アサリエキス50㎖)

・焼き豆腐、または木綿豆腐 1丁

・生姜 1片

・ネギ 15㎝程度

・紹興酒 100㎖

・ごま油 大さじ1(豆腐用)

・ごま油 大さじ1(香味用)

・塩 適量


「この料理は、最初にお豆腐を良く焼いて、いったんよけてアサリの殻を開いたら、最後にまたお豆腐を戻すというのが基本的な作り方だよ!」

「こちらも、わりと簡単ですねぇ!」

「じゃあ、早く作ろうぜ!」


「まずは、焼き豆腐または木綿豆腐を3㎝×3㎝、厚さ5㎜くらいに切っていくよっ!」

「どっちがおススメですかねぇ?」

「焼き豆腐は工場で焼き目を入れる前に脱水工程があるから、けっこう固く絞まった豆腐なんだ!だから焼き豆腐のほうがしっかりした食感で僕は好きだね!」


「いっぽう、豆腐らしい柔らかさを求める人は木綿豆腐をじっくり焼くんだな!」

「そういうこと!木綿豆腐も水切りをした方がいいよっ!」

「水切りはどうやってやるんだ?」

「幾つか方法があるけど、キッチンペーパーでくるんで、バットにおいて、豆腐の上にもバットと何かの重しをのせるか、あるいは沸騰したお湯で2分くらい茹でてもいいよ!」


 クマイさんと兄貴が正方形に近い形に切った豆腐を、ごま油を入れて熱したフライパンに並べていく。


「ごま油を引いて熱して、油が良く伸びるくらいまで熱せられたら、豆腐を平らに並べていくよっ!」

「焼き豆腐は硬いので、菜箸で並べやすいですねぇ!」

「木綿豆腐は気を付けて並べないと崩れるぞ!」


 フライパンからはごま油が熱せられた香りと、豆腐が焦げる香りが漂ってくる。


「いい香りがしてきましたねぇ……」

「焼き目がついてきたら、裏返して反対側もいくよっ!」

「これもホンドギツネ色でいいのか?」

「好みによって好きなキツネを選んでいいよっ!」

「じゃあ、シルバーフォックスでどうでしょうねぇ!」

「それはダメ(笑)」


 両面にいい焼き色がついたので、豆腐をいったん皿にとりだしていく。


「そうしたら、次にまたごま油大さじ1をいれて、生姜とネギの香りをうつすよっ!」

「焦げないように中火で熱してくれよな!」

「香りが立ってきたら終わりにしましょうねぇ!」


 つづいて、アサリの殻を開いていく。


「生姜とネギは出さなくていいので、このままアサリを並べて、紹興酒をふりかけて、強火で貝を開くよっ!」

「このあたりは散々書いてるから、省略していいよな!」

「クロイさん、メタ発言に注意してください!」


 アサリの殻が開いたので、あらかじめ焼いてある豆腐をもどしていく。


「これで、ざっと中火でかきまわあして、塩味を調整すれば完成だよっ!」

「これ、塩辛い場合はどうするんですかねぇ?」

「お水を入れて大丈夫だよ!」

「早く食べようぜ!」


「じゃあ、まずは青梗菜ちんげんさいとアサリの炒め物から食べよう!」

「茎のシャキシャキ感とアサリの旨味がたまらないです!」

「くたっとした葉の方もしっかりとアサリの味を吸ってるぜ!」

「大粒のを使ったから、アサリもプリプリして美味しいね!」


「次はアサリと豆腐の炒め物を食べようぜ!」

「お豆腐にアサリの旨味が絡んで美味しいですねぇ!」

「紹興酒とネギ、生姜の香りが中華らしさを出してるよね!」

「好みでにんにくを入れるのはどうだ?」

「その場合は、みじん切りにして生姜とネギと同じタイミングで入れてねっ!」


「クマイ!ビールだっ!」

「良く冷えてますよっ!」

「相性抜群だね!」


 今回は調子に乗って2品紹介してしまった。混乱のないよう、例によってまとめをつけておくのでぜひ参考にしてほしい。


「皆さんも作ってくださいねぇ!」

「おすすめだぜ!」

「じゃあ、また読んでねっ!」


【作り方のまとめ】


青梗菜ちんげんさいとアサリの炒め物


材料

・殻付きアサリ 200g (むき身60g アサリエキス50㎖)

青梗菜ちんげんさい 二束

・にんにく 1片

・紹興酒 100㎖

・サラダオイル 大さじ1

・塩 適量

・コショウ 適量


 アサリは砂抜きする。


 青梗菜ちんげんさい は硬い茎の部分と、柔らかい葉の部分に分け、一口大に切っておく。


 ニンニクのみじん切りを作る


 砂抜きをしたアサリを、サラダオイルと紹興酒、ニンニクのみじん切りを入れたフライパンに並べ、強火で熱していく。


 殻が開いたらアサリを皿にとりおく。


 青梗菜ちんげんさい の茎の部分を炒める。


 青梗菜ちんげんさい の茎に十分に火が通ったら、青梗菜ちんげんさい の葉を入れ、同時にアサリも戻す。


 葉の部分はすぐに火が通るので、火が通ったら塩味をみて調整する。



豆腐とアサリの炒め物


材料

・殻付きアサリ 200g (むき身60g アサリエキス50㎖)

・焼き豆腐、または木綿豆腐 1丁

・生姜 1片

・ネギ 15㎝程度

・紹興酒 100㎖

・ごま油 大さじ1(豆腐用)

・ごま油 大さじ1(香味用)

・塩 適量


 アサリを砂抜きする。


 豆腐は3㎝×3㎝、厚さ5㎜程度に切りそろえる。


 生姜は細い千切り(針生姜)にし、ネギは小口切りにしておく。


 フライパンにごま油をひき、中火(やや強)で熱する。


 フライパンが熱くなったら切った豆腐を並べ、片面に焼き色がつくまで待つ。


 片面に焼き色がついたら裏返し、裏側に焼き色がついたら皿にとりおく。


 ごま油を足し、刻んだネギと生姜をいれて中火にかけ、香味を出す。


 香味が出たらいったん火を消し、アサリを並べたあと紹興酒をふりかける。


 強火で一気に熱し、殻が開いたアサリを出していく。


 アサリが全部開いたら、取り出しておいた豆腐とアサリを戻す。


 最後に味見をして塩味を調整する。

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