『良い子』って何だ?

優しければ良い子なのか。
勉強が出来れば良い子なのか。
友達がたくさんいれば良い子なのか。

私も子を持つ親ですから、我が子には『良い子』に育ってほしいと思います。
でもよく考えたら、『良い子』って何だ?!

私の考える良い子というのは、まぁざっくり言ってしまえば『悪いことをしない子』です。極端に言ってしまえば、警察の厄介にならない子。

だって、『優しい子』だからって良い子とは限らない。その優しさが間違ってる可能性もあるし、優しいだけで良いかって言われたらそうでもない。
勉強もそりゃあ出来るに越したことはないけど、頭が良いだけでそれで万事OK買って言われたらそうでもない。
友達の多さだって『良』のバロメーターにはならない。

そう考えたら、もういっそ、法に触れるような悪いことさえしなければ、『良い子』ってことで良いのかな、なんて思うようになりました。

さて、本作の主人公、後に『リチャード』という名を与えられる『それ』はですね、それはそれは手が付けられないくらいの暴れん坊でした。いや、『暴れん坊』だとなんかただ暴れてるだけのやんちゃ坊主感がありますけど、そんな生易しいもんじゃないです。殺してるからね。殺しまわってるから。だってそうしないとこっちが殺られる。そんな世界に生きていました。

が、さすがにやりすぎだってことで、捕まり、処刑!

というタイミングで待ったがかかります。

現在のスキルをすべて奪った状態で、今度は人の子として転生し、二十歳までに『良い子』におなり、と。

いや、『良い子』ってなんぞや。

悩みながら、模索しながら、『リチャード』は成長していきます。

こちらのお話、終始シリアスではあるのですが、驚くべき読みやすさです。シリアス展開が苦手な私でもスルスル読める。どういうことなんだ。これが……プロの力……?!

リチャード成長後の見どころは何といっても、妹との関係です。
何せ私はシスコンブラコン大好き侍!
えーっ、この手のお話でもシスコンブラコン要素あるんですか?!助かります!ほんともうご馳走様です!お歳暮にハム贈りますね!ってなもんです。

はたしてリチャードは二十歳までに『良い子』になれるのか、そして謎多き『妹』は一体?!

毎話目が離せません!

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