太陽みたいななっちゃん。大人にはまぶしすぎて、ちょっと涙が出ます。

低身長を嘆くでもなく、親を恨むでもなく、手術の恐怖におののくでもなく、なっちゃんはひたすら明るいのです。読んでいるこちらのほうが、大腿骨を切る? 器具を取り付ける?! 一回当たり半年もの入院?!! と青くなってしまいそうだけれど、なっちゃんは平気そう。
小学生だから? まだ、自分の体に何をされるのか、よくわかっていないから? 
いやいや。小学校六年生はもう十分オトナで、状況はしっかり把握しています。しかも、なっちゃんは頭がいいんですから。
なっちゃんを強くしているのは、大好きな先生への素直な恋心。初めての恋なのか、もしそうじゃないにしても、まだ恋を信じて楽しんで、自分の体じゅうを満たす不思議なきもちに、自分のすべてを注ぎこむことができるころ。だから、大人が聞いたらむしろぞっとしたり、顔をそむけたくなるような恐ろしい状況だって、彼女は乗り越えられるのかもしれません。
諏訪野 滋さまの優しさと祈りが込められているような気がします。この作品についてはあれこれ言うより、読んで、感じていただいた方が絶対良いと思います。