中学、高校のころ、英語は嫌いじゃありませんでした。高校になると不真面目な姿勢がたたり、模試の長文読解は脳内補完しつつ妄想で乗り越えることを余儀なくされた口なのですが、それでも試験問題に出されるウィットある短編を読むのが楽しく、試験を受けるのは好きでした。
いまじゃ「英語できねえ!」がコンプレックスとなり、楽しく英文を読むことなんてないのですが、ここに収められている短編は当時のわくわくを鮮やかに思い出させてくれました。
何と言っても、素敵な日本語訳――いやいや訳文レベルじゃなくて、きちんと楽しめる日本語ショートショートです――があやふやな理解を補ってくれて、もう至れり尽くせりなのです。さらには重要語句や連語の解説もあり、勉強にもなります。
作者のEvelynさまは英語をご専門に研究し、LAに10年ほどお住まいになり、帰国後も英語を教えていらっしゃったそうです。
第三話「真面目なクリスティーン」にはサローヤンの短編を思い出し、第五話「名犬の職探し」には声を出して笑ってしまいました。こういうウイットに富んだ英語のショートショートが丁寧な解説付きで読めるなんて、とても贅沢です。いろんな楽しみ方ができる短編集だと思います。
Evelyn様の「The Original English Stories」を拝読し、心から楽しませていただきました。それぞれの物語がユーモアやウィットに富んでおり、読者を引き込む力があると感じました。特にお気に入りなのは、第4話「英語って変な言語」と第5話「名犬の職探し」です。
第4話の「英語って変な言語」では、Mr. AとMs. Bの軽妙な会話を通じて、普段は意識しない英語の矛盾や言葉遊びがユーモラスに描かれており、思わずニンマリしてしまいました。“eggplant“に卵が入っていない、“hamburger“にハムが入っていないといった指摘は新鮮で、英語の面白さを再発見させてくれました。
また、第5話の「名犬の職探し」は、犬が仕事を探しに来るという奇抜な設定と、最後の「meow:ミュー(猫の鳴き声)」(= mew)」という意外性のあるオチが秀逸でした。会話のテンポも良く、読んでいてワクワクする展開に引き込まれました。
このように、日常の中で見過ごしがちな英語の不思議や、人間の成長を描くストーリーが印象的で、英語学習者としても多くの刺激を受けました。
そして、実を言いますと、私はEvelyn様の作品に触発されて、「TOEIC® Listening & Reading Test」の勉強で培った、にわか仕立ての英語知識を活かせる場はないかと考えるようになりました。その結果、自分のポエムにアメリカンジョークを取り入れるきっかけとなったのです。Evelyn様の英語表現の巧みさに触れ、自分も英語で何か表現してみたいという気持ちに突き動かされました。
最後になりましたが、素晴らしい作品を提供してくださったEvelyn様に心より感謝申し上げます。これからもEvelyn様の新たな作品を楽しみにしております。