共学になったばかりの元女子校って、ちょっといいなあ。

美術女子白井亜紀の美術にかけるひたむきさと、きゅんきゅんの高校生ライフと、母子の胸が詰まるような関係がバランスを取りながら散りばめられた作品です。

少し苦しくなる展開もありますが、そんなときでも必ずどこかに明るくて強烈な光の気配が感じられ、迷わず前に進んで行けます。同じ問題が降りかかったとしても、高校生にはその時期ならではの悩みが生じ、良くも悪くも勢いのある反応を示すのですが、それがまたおばちゃんにはまぶしかったりします。

亜紀を囲む登場人物たちが魅力的で、彼らとの生き生きとした交流を眺めているといつの間にか自分も高校生に戻って笑っているかのような柔らかな気持ちになっています。舞台となる暁の星学院は伝統ある女子校から共学になって間もなく、まだ男子は少数です。でもその男子たちがいい味出しています。

タグにライトノベルとあるように、肩肘張らずに楽しめる一作です。

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