エピローグ

「エメラルド色の秘密」、

 私の物語はここで終わるが、登場人物たちの物語は続く。

 

 医者になるために西の国に向かっているリクイは両親が誰なのか、まだ知らない。


 青い屋根の家で暮らしている兄のジェットとサディナーレは、ジェットがもう脱走兵でないどころか、国を救った英雄になっていることを知らない。


 ハヤッタは、故郷のあの家に、ジェッタとサディナーレが住んでいることを知らない。

 

 ニニンドとサララは結婚し、国王と王妃になるわけだが、将来はどうなるのだろうか。


 答えのヒントはそこら中に散らばっているのだけれど、彼らは気がついてはいない。しかし、それは我々の人生も同じこと。俯瞰で見ることができない人間は、先のことを知らない。


 この先は読んでくださるみなさまのご想像におまかせして、私はここでペンを置こう。

 私は旅から戻りほっとしたものの、終えたばかりの旅をすでに懐かしがっている心境。さて、次はどこへ旅しようか。   


 さいごまで読んでくださったみなさま、どうもありがとうございました。

 



                 了

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エメラルド色の秘密 九月ソナタ @sepstar

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