ひとまず一章を読んでの感想です。
未来予知といえばチートだけれど、主人公の能力は限定的な危機感知といったもので、とてもチートとはいえないもの。
安全に見える選択がイコール正しい選択とは限らなくて、どれが安全かわかるだけに、余計に正しい選択をするのは困難なことなのかもしれない。
一つ誤れば死ぬかもしれない世界で、主人公は自身の知恵と胆力で乗り越えて行きます。
危機的な状況からでも、意志を貫く姿がかっこいい。
そして、その主人公と周囲の人々の魅力を最大限に引き出す文章力がすごい。
冗長な風景描写や設定描写をカットし、会話を中心にリズミカルに物語を描いているのに、押さえるところは押さえているので、今がどういう場面か、キャラクターがどういうキャラクターなのかしっかり頭に浮かびます。
ストーリーとして面白いのはもちろんのこと、読ませる技量がある。他の人がさくさく読めるというのはこういうことなのだろうと思いました。
一章を終えて、これからどうなるか大変楽しみです。
おそらくはこれからが物語の本当の始まりだと思うから。
長いレビューはこの辺にして。さあ続き読むぞー。