竜の髭を喰ったような話

時の経過の無慈悲さに心がねじ切られる
美味しそうだと思って読んでふらふらになった
風化してゆく知恵、技術、思い出を留めておきたい気持ちになる
どうか今作でお爺さまとの思い出が未来へ残ることを祈る

史実なので芸術性を見るべきではないが、作品としてもとても面白い

答え合わせが出来ないから、魚のへそは存在し得る
無いものを喰った。しかしボラの幽門として現実に食べることも出来る
だが魚のへそはやっぱり幼少の中にある
上位の短歌や俳句のもつ現実の崩壊感覚がある
答え合わせが出来てしまった時、どうなるのだろうとも思う

エッセイの審査基準は分からないが、小説としても素晴らしく優れている