砂風呂おじさんは、子供の頃に出会った変な人だ。
海開きの間、ずっと砂に埋まっている。
存在を始め、おじさんの謎は多い。
けれど不思議な安心感があった。不快感はなく、ジョークもいける陽気さもあった。
何にも知らないのに、何でも打ち明けられるような気がした。
だから、大人になった俺は車を走らせる。
彼に「過ち」の相談を聞いてもらうために……
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この作品を読んだ時に、ランプの魔人、ジーニーが砂に埋まっているような印象がありました。
陽気さ、心強さ、たくましさを併せ持つ、純真な子供の味方というイメージに、
このおじさんは見事に当てはまっていたのです。
シュールな描写を間に入れつつも、純真さにすがる青年の悲哀や、子供の味方をしようとするおじさんの父性のようなものも感じられました。
怪しさ満点ではありますが、それにも負けないドラマがある作品でした。