第9話 模倣犯の証言
近辺にいる警察に千尋さんを見ているように頼み、俺はとある場所へと向かった。
「……それで、スペクターはどこにいる?」
「はぁ? 俺がそうやすやすと答えるとでも?」
暮部警部に頼み込み、面会をこじつけられた俺は
スペクターの姿に
「俺は
「ずいぶんと、彼女に
「はぁ? ジャック・ザ・リッパーってご存じ? 探偵さん。ああ、まさか素人だから探偵が知っていて当然の
「……
「なんだ、
「どういう意味だ」
少年はしたり顔で、アリスのチェシャ猫よりも不気味な笑みを浮かべている。
「アンタは、
「……何が言いたい?」
「スペクターに、だよ。大切なものを奪われた? 人生を壊された?
「スペクターは敵だ! 俺から大切なものを奪い、何もしていない無垢なる少女にも手を出そうとしている……許されてなるものか」
「ふーん……じゃあ、一言だけ教えてやる」
楽し気に彼は片手の人差し指を振った。
「……俺たちスペル教は、
「運命的な死?」
「死に様は自分に選ばせろ、って話。だから
スペクターに協力していたのがスペル教だというのなら、若い人間の中で少女を狙った理由がまだ理解が追い付かない。
俺がなんとなく感じていた
これはなんとなく目の前に彼に言わなくても察していたところでもある。
だが、スペクターの姿に
スペル教に
となるとすれば、彼はスペル教
「一言だけ、と言ったはずだぜ? おっさん……12時の鐘は鳴ったって奴さ。ま、じゃあな」
「は? 何を――」
確かに、間違いなく
俺は
「
「……スペクター!! お前は、絶対に許さないっ!」
解人の
「……千尋さんは、どうしたんです?」
「!! おい、ここで
「わ、わかりません……!!」
いいや、体の全身から
「――やられた!!」
「
「記者たちだけじゃない、
「なんだって!?」
スペクターの
最悪なケースを
それが一体どこなのか。車に乗って間に合うのか。
電子音が自分のポケットから聞こえてくる。
携帯を取り出し、メールが一件来ている……どうやら動画のようだ。
「おい!
「……これはお前の仕業か? スペクター」
『やぁ、
ノイズ
……まるで俺の言葉に
「本物か、スペクター」
『ああ、そうだとも――――
俺が憎くてたまらないこいつが目の前にいると思ったら、ドロドロとした激情の
コイツが、俺が
携帯を
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます