第11話 宿敵との対面
「行ってこい、
「はい」
……スペクターは
何かしらの
階段を踏むか、
「……やぁ、来てくれたかい? カイト君?」
「お前が、本物のスペクターか」
「んんっ、んんぅ!!」
にやり、とスペクターは笑っている。
……余計なことを言わせないため、なのだろうか。
だが、なんのために――
「チヒロちゃん、ダメじゃん。声を荒げちゃあ、ねぇ?」
銃声が響く。
「んんんんんんんん!!」
「な、何を!!」
「
「……!! ……っ黙ればいいんだろう」
「そっ、おりこうさん」
仮面越しに言葉に
血が出そうなほど拳を
……注意しろ、ここから彼の機嫌次第で
考えろ、考えろ考えろ考えろ。
「ねぇ、静かにしてって意味でさぁ、ずっと黙れとは言ってないよぉ?」
「……
「えー?
「……
彼はぶりっ子ポーズをしながら
わざとの
ただ
どういう
「聞きたい? 聞きたい? どうしてもって地べたに
「お前なら
「あーん、よくわかってるぅ!
「……ふざけてるのか?」
動画でもこんなふざけた反応だったなと思うと、ストレスで
「えー? だって、変なシリアスモードいらないっていうかぁ……なんていうか、もっとテンションキュンキュン血ードバドバ? な、サスペンスがいいじゃん? ドキドキすっもん! ちょー萌え! ちょー燃え!! あー!! 人殺しになってよかったーってすっごく思う。これも何もかもメシア様のお・か・げ♡」
「メシア様……?」
「あれー? 知らないのぉ? 本当にカイト君スペクターを追ってたのぉ? スペル教新参者レベルだねぇ。まぁ? そこについては俺と千尋ちゃんしか知らないかぁ、ふふっ、共犯者だもんねぇ」
「っ……!!」
「……なんの話だ」
なんだ? これは。なんなんだ。
まるで、あの時と同じだ。
妻の
聞きたくない、知りたくない、見たくない。
脳がノーサインを出していながらも、現実は無常に突きつけられる。
「つまりぃ、そこの
「……は?」
スペクターのケタケタと愉快に笑う高笑いが
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