王太子ルイトポルトと公爵令嬢パトリツィアは、小さい頃からの婚約者。
仲も良く、お互いに愛情を感じています。
けれども、パトリツィアの父である宰相は、権力をほしいままにし、王太子ルイトポルトとは政敵のような関係になってしまいます。
パトリツィアを愛している、けれども、国を宰相の思うがままにさせるわけにはいかない。
王太子ルイトポルトと同志、宰相と協力者、彼らの陰謀に女性たちも巻き込まれ、心も体も泥沼の事態に……
貴族社会の、華麗さの後ろの闇を描いた、とても興味深い作品です。
ぜひおすすめします。
国王夫妻の怠惰と放蕩、それに乗じた宰相の国政私物化。
ついに、王太子ルイトボルトは側近のアントンと共に、改革を目指し、クーデターを計画します。
しかし、問題は、ルイトボルトの婚約者(のちに妻)は宰相の娘。
そしてアントンの妻も宰相一門であること。
彼らは、クーデター後の彼女達の運命を思い、敢えて、距離を置こうとしたり、せめて妊娠させることのないようにと策を講じますが……。
果たして、彼らを愛する女性達は、描いたシナリオ通りに動いてくれるのでしょうか————。
そして読めばわかりますが、この側近アントンというのが曲者で。
理想に燃える高潔な男なのか、性にだらしないダメダメ男なのか、物語を大変盛り上げてくれています。
そんな、人間らしさがいっぱいの、愛の物語です。