「剣とミリタリーの異世界戦記」とくれば、中世的世界に銃が持ち込まれた展開を想像するのですが……冒頭で、私たちがかつて歴史上に見たことがない世界を見せつけられます。
存在しなかった世界に JK。そうなれば、この "JK" は「ありえない」。この "JK" を JK と思えば、痛い目に……いや、火傷を負い……いや、銃創を負いますよ……
ぶっ飛んでます。しかし恐ろしく剛毅で頑健な精神です。でなければ超人的な戦闘能力を使いこなせません。
頭のネジが抜けているという言い回しがありますが、ネジ穴が塞がっていなければ振り回すと外れます。この JK は精神の全てを戦闘目的で結合させています。
この JK、頭のネジ穴を弾丸で留めてやがる! その手で戦場を生き延びてやがる!
ただし登場人物が全てぶっ飛んでいる訳ではありません。キャッチコピーにも紹介されるオジさん騎士は冷静かつ通常に合理的な軍人であり、戦場を離れれば貴重な紳士でもあります。いやあ、このお人がいらっしゃらなければ、戦果は上がっても情景がどれだけが迷走していたか……
軍事は、冷徹な技術と兵站の運用を、殺人と被殺害を怖れぬ精神でつなぎ止める、理性と狂気の接合で成り立ちます。筆者は軍事に詳しいのでしょう。両方を兼ね備えています。慣れぬ人間、例えばこのレビューの筆者、は狂気に言葉を失ったりしますが、そこまで突き詰めねば軍事ではありません。それは善悪を抜きにして。そう、善悪を抜きにして、やったもん勝ち。
強い奴が強い。このトートロジーがむき出しになる戦場で、読者は無敵な存在の技術として精神を体感します。読んでいるだけで頭が振り回されます。まぁ、普段は体験できない非日常です。
異世界に転移したからには、キチンと非日常を。そして人間の域を超えた全能を。その願いを読者の期待以上に叶える一作です。
第十八話まで読んでのレビューになりますが素晴らしいの一言です。
個人的に異世界転生モノは読み始めてもイマイチハマれなかった事が多かったのですが、この作品はすごい楽しいです。
ある程度知識が必要な読み物は、下手すれば設定や用語説明に終始することに陥りやすいことがあると思うのですが、この作品はそんな事はなく、白熱した狙撃手同士の戦い(そもそも狙撃手同士の戦いって滅茶苦茶書くの難しいのでは!?)が脳内で動きを感じるほど丁寧に書かれています。
かと思いきやコメディ調のシーンはそっちはそっちでキレがすごく良くて、その緩急自在の書き味にいい意味で振り回されます。人間味に溢れまくった会話もGOODです。
書き手の立場にいる人間としては嫉妬するスキルが詰め込まれた作品。ぼくも一年間修行とかした方がよかったでしょうか……
主人公の女子高校生は、獰猛な緑に浸食され、荒廃した世界で敏腕スナイパーとして活躍していた。銃を構え、標的を撃つ。しかし、主人公の仲間が突如何者かに襲撃を受ける。そしてそれをきっかけに、主人公も標的にされ、万事休すの事態に。
しかし、主人公は生きていた。獰猛な緑など見当たらない砂漠の地で、相変わらず敏腕スナイパーとして。主人公は代償として、その土地の人々の言葉が分かる機能と、銃を出し入れできる機能を手にしていた。
そこは「猫」を崇拝する人々が暮らす世界。主人公は猫耳の獣人たちを助けたことから一緒に行動を共にすることに。しかも加勢してくれたオジサンこと、かつて魔王を倒した英雄の仲間だった「オジ」も一緒だった。このオジとの出会いが、主人公の運命を変える。
女子高生スナイパーは「魔法使い」として、オジと共に戦禍に巻き込まれていく。JKという言葉も、セーラー服もない世界の戦争は、魔王亡き後の人間同士の諍いだった。この戦に終止符を打つために、騎士系オジサンとスナイパーJKが共に戦場を駆ける。
散りばめられたいくつもの謎と伏線の数々に、今までにない異世界転生ものだと思いました。
さばさばとした今どきな感覚のJKと、40歳超えの紳士的なオジさんの組み合わせが絶妙で、二人の掛け合いが面白かったです。
世界観としてのスケールは大きく、しかしストリーは良くまとまっていて、これからの展開が楽しみです。
是非、御一読下さい。
作品紹介にて分かりやすく簡潔に書かれた内容は、映画の宣伝でも見ているかのようで読み手を惹き付けてくれます!
まずは、作品の流れを知る為にも作品紹介に目を通すことをお勧めします♪
現実世界から異世界まで、舞台背景や情景描画が丁寧に描かれていて、異質な組み合わせの中でもすんなりと世界観を受け入れさせてくれました。
中でも圧巻だったのは、スナイパーによる狙撃戦の戦闘描写です!
武器となるライフルの知識から軍略、細かい戦闘中の動きの部分や心情まで緊張感のある描写が手に汗を握る展開を繰り広げてくれています!
しかし、それだけで終わらないのがこの作品のいいところで、緊張感のある戦場においても、ちょっとしたコメディ的要素がいい塩梅で笑いを生んでくれています。
JKによる屈託のない会話文も緊張感のある中において、いい意味で緩急をつけてくれていて読み飽きません!
そんなJKを含む魅力的なキャラクター同士の掛け合いは必見です♪
ちなみに女子高生というアイデンティティはセーラー服によって維持し続けているところもユニークな発想で、異世界においてはその衣装絡みの会話も必見です!
そして、このすべてを語っているとされるのが吟遊詩人であり、各章が終わる度に心ざしを頂戴しに参上します。この発想には感嘆するばかりでした!
話はまだ語られている途中ですが、是非ご一読頂きたいと感じた作品です!
物語は女子高生が銃器をぶっぱなすところから始まります。
どうやら、現代日本ぽく、しかし、ヒロインらが通うのは、「軍事学校」であり、高校のクラスで狙撃犯を組んでいます。
舞台は廃墟ビル。
繰り広げられるのは、本格的なガンアクション!
かつ、女子高生らしい会話、キャピキャピしたところも随所に差し込まれます。
もうこの世界観だけで話進むんじゃ?
と思いきや。
ここから、異世界転移します。
異世界転移した先にいるヒーローは、おっさん騎士。
実力があり、誠実であるのに、不運、不遇。
モテない。
読者からは、かっこよさが充分わかるヒーローなのだけど、おっさんの哀愁が漂うところがチャームポイント。
クールなスナイパー女子高生と、紳士的なおっさん騎士のやり取りが面白いです。
一エピソードの文字数も長すぎず、文章もわかりやすいです。
戦闘シーンの、全身の血が沸騰し高揚する感覚。とくにその描写が優れています。
読んでてワクワクしますよ。
物語の冒頭から本格的な狙撃手たちの描写で引き込まれます。
最初の章で主人公になっているヒロインJKは、ほかの子たちとは少し様子が違う――理由についてはやがて明かされますが、ネタバレになってしまうので伏せておきます!
複雑な過去を抱えたJKヒロインは凄腕スナイパーだけど、応援したくなるキャラクターです。
また廃墟となった街の描写も魅力的でした。
もう一人の主人公は異世界の中年騎士。
戦場の手柄より小さな命を慈しむ優しいオッサンで、心を無にして戦闘狂にもなれるJKヒロインとは正反対とも言えるタイプ。
この二人が出会って、どんな化学反応が起こるのか?
ぜひ見届けてください!
現代のスナイパーもモンスターが出てくる異世界バトルもリアリティのある筆致で書き込まれ、手に汗握る戦闘描写が魅力のファンタジーです。
オッサン騎士×JKスナイパーのコンビにぐいぐい引っ張られますよ!