プラスチックな海辺

夏の終わりに

思い出の小筺こばこをあけてみた


大事に仕舞っていたのは


花開く金色の月と

星になった貝殻と

真珠になりかけの白い雲


星をつないで空に飾ると

夜の月が白く輝いて

青い波がやさしい音を立てた


風紋を刻んだ砂漠の土が

白砂に溶けてゆき

真珠を浮かべた川が

銀色に光りながら

過去へとさかのぼ


空から吊り下げた星が

一斉に海に落ちたとき


マシュマロのような雲が

すべて真珠に変わったとき


月の花は実を結んで

もうひとつの

月が生まれるのだろう


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16818093085467038354

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