誰かの魂が空を飛んだ

あるときは

砂礫されきの荒地から

峻険なる岩山を見上げた

風に乗り舞い上がったのは

蝶の群れ


あるときは

月明げつめいの吊り橋から

深淵なる峡谷を見下ろした

研ぎ澄まされた星の光が

降っていた


あるときは

野薔薇が咲く砂漠の

赤土せきどの道を下り

やがて

せせらぎぎ始めた川を

風と共に吹き渡った


無窮の空の孤独


星降る夜の孤独


色なき風の孤独


帰るべき場所は

どこにあるのだろう


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16818093084890090807

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