月下の孔雀

しあわせという名の国で

孔雀が空を飛んでいた

散華するように

羽色をまき散らしながら


黄金色の夕陽

黄金色の羽


琥珀こはく色の雲

琥珀色の羽


翡翠ひすい色の月影

翡翠色の羽


宇宙の儀式のように

天翔あまがける孔雀は

黒い影となって

青い満月を横切った


地上に降り立つと

月の光でふたたび色を得る


その姿は

夢の始まりのようでもあり

夢の終わりのようでもあった


https://kakuyomu.jp/users/rubylince/news/16818093088093444937

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