ようこそ 港町イリュリア随一の 夢喰屋へ――

人と魔物がルールを持って共存する世界のお話。

主人公は『悪夢』を全て喰らうことのできるバクのエル。

夢の交換が可能なことによる、夢屋、そして夢喰屋の存在。
悪夢もまた記憶の財産。
不用意に夢を喰らい尽せば、魂を傷つけるし、己も囚われかねない――

独特の価値観、法則に基く幻想世界。
これだけでもうどっぷりと浸れそうなのだが、そこに住まう登場人物たちがまたいい味を出して世界と融和している。

のんびり屋で面倒くさがり、嘘がつけない主人公のエルクラート。
たしかにそう。でも代々続く夢喰屋として確かな矜持と夢への欲をもつ。
彼からして濃い。
しかし騒々しさの類はなく、まるで語り手である彼がリズムを刻む……揺り篭の中で微睡むようにして物語を味わえエル。

そんな夢喰屋に、あなたも立ち寄ってみませんか?




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