いきものに対する感性が熱い!


小説として扱い難く、書きにくいと思われる鯰(なまず)。その掴みどころのない存在を【喋る鯰】という新しい切り口で読者にシュールな印象を強烈に与える、先鋭的な感性が織り成す斬新な物語です。

――喋る鯰の正体とは?

生まれ変わり、輪廻、因果応報……物語に深みをもたせつつ、お盆特有の幻想的な施しも味方につけ、物語に上手く落とし込んでいる点もとても素晴らしいと思います。
犯した罪人にくだる天の災いが激甚で、至らしめる澎湃たる末恐ろしさが同居したスリリングな展開も見逃せません。
夏に飽和しかかった読書感覚を塗り替えて新たに払拭されるような印象を受けるかもしれません。捉えようにも、捉えられない――まるで鯰をつかむような感覚にあなたの心は翻弄されることでしょう。

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